ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

寡黙な夫の溺愛願望

寡黙な夫の溺愛願望

著者:
葉月エリカ
イラスト:
芦原モカ
発売日:
2017/11/02
価格:
620円(税抜)
 

ああ、好きだ……大好きだ、エレノア……!

数字フェチのエレノアは、伯爵家当主であるジェイクに嫁ぎ、彼が営む貿易会社の経理担当として、仕事だけで結びついた夫婦生活を送っていた。だがある日、無口な夫が突然、熱烈な愛の言葉を吐き出し始めた! どうやら《魔女の気まぐれ》という呪いが発動し、本音がダダ漏れになっているらしい。気持ちが悪いほどの愛妻賛美に若干引きつつ、赤裸々な欲望を吐露されて、甘く激しい一夜を過ごすエレノア。しかし、夫の執着愛は予想を超える重たさで――!?

清廉で真面目な夫×合理主義な理系妻、“呪い”のせいで秘めた欲望がダダ漏れに――!?

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登場人物紹介

エレノア

エレノア

数学や数字が大好きな変わり者。自分のような女が妻でジェイクに申し訳ないと思っていたが……。

ジェイク

ジェイク

寡黙ながらも誠実な夫……と思いきや、頭の中はエレノアのことでいっぱい。自分でもその異常さに気づいている様子。

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「ん……やっ……約束が、違いますっ──」
 寝台の上で身をよじり、エレノアは切れ切れの声をあげた。
 自分が今どういう状況に置かれているのか、考えるだけで恐慌をきたしそうになる。
 身に纏っていたドレスは床に落ち、シュミーズも肩紐がずらされて、か細い上半身が丸見えになっている有り様だった。
 紳士の仮面をかなぐり捨てたジェイクが、エレノアの抵抗などものともせず、男の力で強引にドレスを脱がせた結果だ。
「約束とは?」
 問い返すジェイクの視線は、剥き出しの白い胸に食い入るように落とされていた。
 手や首以外の肌を初めて直に見られる羞恥に、エレノアの思考は焼き切れる寸前だった。
「こういうことをするときは、服を着たまま……それに、ジェイク様は目隠しを」
「それは単なるなし崩しの習慣で、正式に取り決めたものじゃない」
 エレノアの両手首を摑んで寝台の上に縫い留めながら、ジェイクは憮然と言った。
「君が見られたくないというから、嫌われるのが怖くて従っていただけだ。結婚して一年にもなるのに、妻の裸を目にしたことがない夫などおかしいだろう」
 極めて正当な不満をぶつけられ、エレノアは怯んだ。
 結婚式を終えた初夜の晩から、性行為に及ぶたび、エレノアは彼に目隠しを強いてきた。
 それはエレノアの一方的な要求で、ジェイクがどう思っているのかを確かめたことはなかった。話し合うことも譲り合うこともせず、こちらの望みだけを通すのは、我儘だと詰られても仕方がない。
「ですが……その」
 エレノアはなんとか反論の糸口を探そうとした。
「目隠しをしていただいたのは、ジェイク様のためを思ってのことです。私のつまらない顔や体をご覧になりながらだと、きっと萎えてしまわれるから」
「萎える? どこがだ?」
 腰を押しつけられ、エレノアはぎくりとした。
 衣服ごしでもはっきりとわかる。
 ジェイクの雄のものは、大きく硬く張りつめて、エレノアの下腹にくすぶる体温を伝えていた。
「このとおり、俺は痛いほどに勃っているが」
 真顔で報告され、エレノアの頭は真っ白になる。
 どうせ思ったことがすべて口に出てしまうなら──とばかりに、ジェイクは開き直ったようだった。
「好きな女を前にして、抱きたいと思わない男がいるか? 朝も昼も晩も、愛しい君のことを考えるだけでこうなるんだ。いい加減、一人でこそこそと処理するみじめさから解放してくれ」
「しょ……処理というのは?」
「男の生理を何も知らないのか」
 ジェイクの口元が皮肉に歪んだ。
「これからたっぷりと教えてやる。今まで断腸の思いで耐えてきたあれこれも、一切我慢はしないからな」
「えっ……やっ……!」
 エレノアは体を強張らせた。
 ジェイクの手が左右の胸を包み、やわやわと揉み込み始めたのだ。
「すごいな……──何に喩えようもなく、柔らかい」
 感じ入った呟きとともに、眼差しが興奮の熱を帯びていく。
 そのまま両手で撫で回され、ほのかな膨らみを中央に寄せられ、白い胸乳が形を変えていく様を、目でも掌でも楽しまれた。
「想像以上だ。肌触りもなめらかで、指が沈んで……」
「っ……やめて……!」
 エレノアは必死で首を横に振った。
 ノーマにも『ボリュームが足りない』と言われたように、エレノアのそこは決して豊かではない。農作物に喩えるなら生育不良で、傷ものの三級品というところだ。
「そんな、原価割れで叩き売りされるみたいな胸──っ……」
「何を言ってるんだ、君は?」
 不可解そうに首を傾げたものの、ジェイクはすぐにまた淫らな戯れに没頭した。
 ふにふにとした乳房の中心には、ごく小さなしこりがある。そこに彼の指先が伸びて、淡い色の乳暈をくるりとなぞった。
「ふぁっ……!」
「──可愛い」
 ジェイクの息遣いは、さっきよりも浅くなっていた。
 反射のように硬くなったそこを、親指と人差し指できゅっと摘まれ、糸を縒るように扱かれる。
「どんどん硬くなって、俺のすることに反応して──なんて可愛いんだ」
「あっ、あ……ああっ……」
 エレノアは見ていられず、片腕をあげて目元を覆った。
 入浴の際、自分で体を洗うときには、こんな変化は見られないのに。
 ジェイクの指に捉われた尖りは、ぷっくりと膨らんで色を変え、じんじんと甘い痺れを撒き散らしていた。
(何これ、おかしい……私の体、どうなって……)
 自分の身に起こる現象に名前をつけられず、混乱する。
 その間にもジェイクは、ふたつの乳首をくにくにと捩ったり、先端に爪を立てて押し込めたりと、新しい玩具を手に入れた子供のように夢中になっていた。

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