ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

スパダリは猫耳CEO

スパダリは猫耳CEO

著者:
八巻にのは
イラスト:
百山ネル
発売日:
2017/11/02
価格:
640円(税抜)
 

甘やかすのは俺の特権だよ。

二本の尻尾を持つ珍しい黒猫を救った和音。表情が乏しく話し下手なのに、その黒猫とは不思議と気持ちが通じ合う。ずっと一緒にいたいと思う和音だが、黒猫は突然姿を消す。ところが、入れ代わるようにして、極上のイケメンが現れた!! 「俺は、君に助けてもらった猫なんだ」と、強引に恩返しを始める彼。「こういうのを望んでるんだね」巧みなキスと愛撫で淫らな欲望を引き出され、和音は彼に溺れていく。けれど彼の秘密が、二人の甘い日々に影を落とし……!?

イケメンCEO(妖怪)×話し下手な“能面”女子、恩返しからの熱烈求愛!?

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登場人物紹介

和音(かずね)

和音(かずね)

ホテルで清掃員の仕事をしている。人とのコミュニケーションが苦手だが、なぜか変質者によく好かれる。

クロ

クロ

自分のことを猫だと言い張るイケメンCEO。恩返しをすると言い、和音の世話を焼き始める。

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「和音と触れ合っているだけで、身体がすごく楽になるんだ。だから俺を助けると思って、もっと君に触れさせてくれない?」
 甘い声でねだられると、和音は嫌と言えなかった。
 それどころか、和音を撫でる手つきはひどく優しくて、それを突き放したいとはもう思えない。
(必要としてくれているのなら、受け入れてもいいのかな……)
 下手したら、この先ずっと変質者にしか触れてもらえないかもしれない。なら一度くらい、自分を正しく必要としてくれている相手に身を委ねるのも悪いことではない気がした。
「本当に、私でいいんですか?」
「和音じゃないと駄目なんだ」
 柔らかな眼差しを向けられながら断言されると、強ばっていた身体から力が抜けていく。
 そのまま、優しく触れるだけのキスに身を委ねていると、彼の言うように、何も不安に思うことはないのだという気がしてきた。
「口、もう少し開けて……、そう……上手だね……」
 本や映画でしか知らなかった、舌を絡める深いキスは、想像していたよりずっと激しくて、気持ちがいい。
 初めてのことだから、呼吸の仕方さえわからないけれど、息苦しくてもやめたいと思わないほど、和音はクロの舌使いの虜になっていく。
 しばらくして、背中に回されたクロの手がワンピースの襟元をすっとなぞった。
「直接、触ってもいい?」
 キスの合間に囁かれ、和音は答えに困る。
 彼に直に触れて欲しいという欲求は確かにあった。でもそれを認めるのは恥ずかしいし、口にするなんて絶対に無理だ。
「触っても、がっかりするだけです」
「がっかりするか決めるのは俺だし、和音は自分で思っている以上に魅力的だよ」
「でも変質者にしか好かれないくらいで……」
 きっと自分の身体はマニアックな人種にしか好かれないのだろうと、和音はずっと思っていた。
 一方クロは、プレイボーイと言われるほど男性的な魅力に溢れた人物で、同じくらい魅力的な女性とばかり付き合ってきたに違いない。そんな彼が和音の身体で満足できるわけがない。
「だから、私の裸なんて見ない方がきっと……」
「がっかりなんてしないよ」
 もう一度キスをして、クロは明るく笑う。
「普通の人からは好意を向けられたことがないし、きっと女性としての魅力がないんだと思います」
「十分魅力的だよ。それにもし変質者にしかわからない魅力があるのだとしても、猫耳の変態の俺にはばっちり伝わってるから大丈夫」
「もしかして、以前変態って言ったこと、怒ってます……?」
「いや、むしろそのとおりだなって思うよ。実際君のことを知りたくてストーカーまがいのこともしてたし、こういうこともしたくてしょうがなかった」
 確かに行動だけ見ればそうだが、彼には和音に恩を返そうという気持ちがあった。
 好意を一方的に押しつけて、和音を自分のものにしようとしていた輩とクロは違う。
 今だって、クロの力があれば、強引に服を脱がせて肌に触れることだってできるだろうに、あえて彼は確認してくれた。
 これまで言い寄ってきた男性といえば、和音の意思を無視して交際を迫ったり、無理やり関係を持とうと乱暴を働こうとする人ばかりだった。
 こうやって自分のことを気遣い、気持ちを確認してくれる男性は初めてで、だからこそ和音は彼が望むなら、受け入れたいと思うのだろう。
「私の肌に触れたら、クロはもっと楽になりますか?」
「うん。それに和音のことも、気持ちよくしてあげられる」
 クロの言葉に、和音はためらいつつも頷く。
 すると、クロは手慣れた様子でワンピースのホックを外し、背中のファスナーをゆっくりと下ろした。
「寒かったら言って」
「大丈夫です」
 むしろ素肌がクロの目にさらされると、身体は次第に熱くなる。
「嫌だったり、恥ずかしくてつらかったら言って。すぐやめるし、妖術で気持ちを楽にすることもできるから」
「まだ……大丈夫です」
「ありがとう。それなら、続けるよ」
 ワンピースを腰まで引き下ろし、クロは露になった和音の肩を優しく擦る。
 ただそれだけで肌が粟立ち、身体の奥がゾクゾクして、和音の瞳は期待に潤んだ。相変わらず表情は変化していない気がするが、そのかわり、身体の方はクロのもたらす刺激に従順だった。

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