ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

死神騎士は最愛を希う

死神騎士は最愛を希う

著者:
蒼磨奏
イラスト:
森原八鹿
発売日:
2022年04月04日
定価:
836円(10%税込)
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貴女を害した全てに、俺が引導を渡そう。

王女リリアナは隣国に遊学させられた幼馴染のデュランと、箒星を眺めた幸福な一夜の記憶だけを支えに生きてきた。しかし、毒で心身共に衰弱している彼女は国王暗殺の嫌疑をかけられてしまう。そんな彼女を救い出し山間の別荘へ匿ったデュランは、リリアナを陥れた者たちに報復するため動き出す。離ればなれの間狂おしいほど恋い焦がれたリリアナを守るために。リリアナは彼に甘く触れられるうちに、毒で麻痺した感情と身体の感覚を取り戻し――。

隻眼の騎士×毒に蝕まれた王女、卑劣な謀略に踏みにじられた初恋の行方は……?

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登場人物紹介

リリアナ

リリアナ

アクナイト王国の王女。幼い頃から冷遇され、少しずつ毒を飲まされ続けているため身体を壊している。

デュラン

デュラン

マクレーガン公爵家の次男で騎士。リリアナの幼馴染。ある事件を起こした罰として隣国に遊学させられていた。

お試し読み

「……デュラン」
 身を起こしたデュランに向かってリリアナが両手を広げたら、彼が身を屈めてキスをしてくれた。太い腕が身体に巻きつき、ぎゅっと抱擁される。
「もっと、強くていい」
 大好きな人に抱かれながら、リリアナは掠れきった声で懇願した。
「もっと強く、抱きしめて」
 ──あなたの腕の中で、苦しくて、息ができなくなるほど。
 デュランの腕に力が籠もり、ぐっと締め上げられた。その力強さに安心する。
「貴女を抱きしめる時、たまに力を入れすぎてしまうんです。苦しくないんですか」
「これが、いいの……安心するから」
「いつか抱き潰してしまいそうだ」
 文字通り、その腕で締め上げてしまいそうになると、デュランは苦笑交じりに呟いてリリアナに口づけた。その唇で、肌の探索を始める。
 デュランは身体の位置を下げて腹部のあたりへ愛おしげに唇を押し当てると、右手をそろりと太腿の間へ滑りこませた。
 内腿を撫でられて足のあわいを探られた時、リリアナはぴくりと震える。
 排泄に使う場所をなぞられているうちに、濡れた音がし始める。
「ん……は……」
 リリアナは天井を仰ぐ。デュランの指が動いて秘部に刺激を受けると、勝手に息が上がった。
 ほどなくぴたりと閉じていた秘裂に、ずぶずぶと異物が入ってくるのを感じた。
 デュランの指が体内に挿入されたと分かり、リリアナは身震いする。出たり、入ったりする指がわななく内壁をこすって、狭い蜜路を広げていった。
 彼が手を前後に動かすと、グチュグチュと水をかき回すような音が聞こえる。
「ちゃんと濡れていますね。よかった」
 デュランが独り言みたいに零して、身動ぎ一つしないリリアナの顔を覗きこんだ。
「今、何をされているのか、分かりますか?」
「……足の間を、触られているわ……そこを、使うのね」
「そうです。ここで俺と繫がります」
「変な感じ……なんだか、息が上がるの」
 とくとく、と心臓がいつもより速く鳴っている。身体が興奮しているらしい。
 リリアナが吐息交じりに身体の異変を伝えたら、デュランは顔を綻ばせる。
「気持ちよくなってきたんですね。その感覚を、身体で覚えてください」
「……そこに、あなたのを、いれるのよね」
 顔を背けながら、あけすけに問う。身体の繫げ方くらいは、さすがに知っていた。
 デュランの笑みが深くなる。アイスブルーの隻眼が弓なりに細められた。
「はい。ここに、いれます」
「子供、できないのに」
 小さな声で言うと、デュランは指を緩やかに出し入れしながら声色を和らげる。
「分かりませんよ。貴女の体調がもっとよくなれば、子供を作れる身体に戻ります」
「……子供が、欲しいの?」
「貴女との子なら。でも、貴女が俺のものになるなら、それで十分です」
 俺のもの。デュランはよく、その言葉を使う。
 リリアナにちゅっと音を立ててキスをし、デュランが指を抜いた。そのまま身体の位置をずらして、押し開いた足の間へ顔を埋めてくる。
 先ほどまで指を押し入れていた女陰へ舌を這わせ、中にぬくりと入れてきた。指よりも柔らかい舌で敏感な秘裂を広げていく。
「んん……はぁー……」
 ぷくりと膨れた秘玉をぐりぐりと刺激され、お腹の奥がじんじんと熱くなる。呼吸が乱れて、玉のような汗が肌に浮いてきた。
 ──これも……気持ちいいの、かしら……。
 頭は混乱していても、彼の愛撫で間違いなく身体は興奮している。
 リリアナの秘所を丹念に舐め回し、十分に濡れてほぐれたのを確認して、デュランが起き上がった。口元を手の甲で拭うと、窮屈そうにズボンを脱ぎ捨てる。筋肉質な下腹部に当たるほどそそり勃っている雄芯が現れた。
 デュランはリリアナにのしかかり、やや性急な手つきで彼女の足を押し広げると、とろとろに蕩けた蜜口に男根の切っ先を押し当てる。
「いきますよ」
 その合図で、デュランは腰を押し上げた。ズンッと大きな圧迫感がある。
 リリアナはかすかに眉を寄せたが、ずぶずぶと硬いもので身体の奥を抉じ開けられてもやはり痛みは感じなくて、根元まで押しこまれるまでデュランの肩に手を添えていた。
 デュランが腰をぴったりと重ねて、熱い吐息をつく。
「はぁっ……入りましたよ、リル」
「うん……」
 筋肉質な肩に腕を絡めて、リリアナは目を閉じた。どくん、どくんと、彼の一部がお腹の奥で脈打っている。
 毒を飲まされてどれほど苦しい思いをしても、心を閉ざして人形のように生きていた時も、デュランのことだけは忘れられなかった。
 そのデュランと今、こうして一つになっている。
 そう考えたら、リリアナはまたしても胸が苦しくなった。
 ──何故、かしら……何故、こんなに、胸が切なく締めつけられるの?
「……苦しい……」
「リル?」
「デュラン、私……胸が、苦しくて、堪らない」
 でも、どうして苦しいのか分からない。
 リリアナは消え入りそうな声で囁き、表情の乏しかった顔をぐしゃりと歪める。
 デュランが息を整えながら、そんな彼女の頬をするりと撫でて言った。
「苦しいなら、ここでやめますか」
「……やめないで」
「どうして? 俺に抱かれて苦しいなら、やめたほうがいい」
「だめよ、やめないで」
「だから、どうして?」
「苦しくても、やめてほしく、ないの」
 リリアナは駄々を捏ねる子供みたいに繰り返し、歪んだ顔のまま幾度も首を横に振る。
 切ないほど胸が苦しかった。でも、その感覚はたぶん、デュランとこうして身体を繫げることが嫌だというわけではないのだ。
 むしろ、その逆だった。
「デュラン、私……あなたに抱かれたい」
「リル……」
「最後までして、お願いよ」
 リリアナは彼の首にしがみつき、切々と懇願した。
 デュランがごくりと喉を鳴らして唇を嚙みしめたかと思うと、腰を揺らし始めた。大きく開いた足の間へと、力強く腰を打ちつけていく。
 太腿と臀部が当たる打擲音と共に、ギシッ、ギシッとベッドのマットレスが揺れた。
 リリアナは両手をデュランの首に絡みつけたまま、奥を突かれるたびに「はっ」と息を吐く。硬い男根で奥を抉られると、爪先が跳ねた。
「はっ、はぁ……リル……リル……」
 デュランの荒い息が耳にかかる。
 まるで縋るような切なげな声で、幾度も名を呼ばれた。
 限界まで怒張した肉槍が、男を初めて受け入れた隘路を無遠慮にかき混ぜていく。
 ズンッと奥まで押し入った拍子に、結合部から先走りと愛液が入り混じった体液が溢れてきた。
「んんっ、あぁ……デュラン……」
「ふっ、リル……」
 デュランはリリアナの肩と腰に腕を巻きつけ、隙間なく密着する体勢に変えると、ベッドと自分の身体でリリアナを押し潰すようにして腰を揺すっている。
 もう、どこへも行かせない。
 これで、貴女は俺のものだ。
 けして手放すものか。
 荒々しい情交の中で、熱に浮かされたデュランは自制の留め金が外れたのか、リリアナの耳元でそう繰り返していた。
 リリアナは彼にしがみつき、ひたすら「うん、うん」と応えた。
 やがて、お腹の奥で雄芯が大きく膨れて、何度か腰を強く叩きつけたデュランが呻き声を漏らした。
 リリアナの胎内でどくんっと熱い飛沫が放たれ、子種が溢れるほどに注がれていく。
 余韻に浸りながら緩やかに腰を揺らしているデュランの背を撫でて、リリアナはそっと目を閉じた。弛緩した四肢を搦めてぴったりとくっつき、体温が溶け合うのが心地よい。
 と、その時──デュランがぎゅっとリリアナを抱き寄せて、耳に口を寄せる。
「リル……貴女を、愛している」
 リリアナはぴたりと動きを止めた。
 固まる彼女の耳を甘嚙みして、もう一度、デュランは告げた。
「ずっと前から、貴女を愛しているんだ。貴女さえ手に入れば、もう他に何も要らない」
 リリアナは緋色の目を見開いて「ああ……」と声を漏らす。
 胸が、とくんと、大きな鼓動の音を立てた。

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