ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

恋獄の獣

恋獄の獣

著者:
栢野すばる
イラスト:
炎かりよ
発売日:
2020年09月03日
定価:
792円(10%税込)
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俺からお前を奪う人間は、皆殺しだ……。

女王の血を引きながらも、父が異国人であるために“穢れた王女”と蔑まれるリーシュカ。最愛の父を殺され、悲しみに暮れる彼女の前に現れたのは、初恋の男ルドヴィークだった。獣のような残忍さをのぞかせる一方、昔と変わらぬ優しさでリーシュカを案じてくれる彼。女として見られていないと知りつつも、どうしても惹かれてしまうリーシュカだが……。「本当はお前を誰にも渡したくない」あるきっかけで独占欲をあらわにした彼に、甘く激しく求められ――!?
美しき“死の商人”×不遇の王女、一途で凶暴な独占愛!

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登場人物紹介

リーシュカ

リーシュカ

異国人の血を引くために、女王の娘でありながら蔑まれている。幼い頃からルドヴィークのことが大好き。

ルドヴィーク

ルドヴィーク

武器商人として世界を飛び回っている。リーシュカのことは、恩人の娘として大事に思っていると言うが……。

お試し読み

 ──もしかして……私に誘惑、されてくれた……の……?
 舌同士を音を立てて舐め合うたび、リーシュカの身体の奥が怪しく火照る。胸の先端が硬くなり、息が乱れてきた。
 落ち着かなく膝を閉じ合わせ、逃がしどころのない熱を誤魔化そうとしたとき、不意に唇が離れた。
「お前、怪我は?」
 恐らく左腕の怪我のことだろう。しびれ薬の後遺症はあったが、怪我自体はそれほどひどくはない。やはりあれは『捕獲用』の特別な道具だったのだ。
「大丈夫……」
 恥じらいに震える声で答えると、ルドヴィークが低い声で言った。
「俺のこと、ルディって呼べ、さっきみたいに」
 真っ赤な顔でぼんやりしているリーシュカの頭を胸に抱き寄せ、ルドヴィークが照れたように言った。
「両親と、死んだ父方の爺さんにしかそう呼ばせてなかった。ガキの頃、お前にだけは特別に許したんだ。今だって許してる……だからルディって呼んでくれ」
 驚いて顔を上げると、ルドヴィークが無造作に唇を拭って言った。
「寝台に行け」
 その仕草も声もひどく妖艶で、リーシュカはごくりと息を呑む。
「早く行けよ」
 甘く艶やかな声に逆らえず、リーシュカは震える足で寝台に近づき、恐る恐るルドヴィークを振り返る。
 あっと言う間もなく、大きな身体が覆い被さってきて、寝台に組み伏せられてしまった。再び口づけを受け、巧みな舌に、己の舌をぎこちなく絡め合わせる。
 お腹の奥が疼き、脚の間がとろりと濡れて、恥ずかしくてたまらなくなった。
 思わず敷布を握ったとき、ルドヴィークの顔が離れた。
「……まともな大人は恩人の娘を無責任に抱いたりしないんだよ。イカれててごめんな」
 そう言って、ルドヴィークが上着を脱ぎ捨てた。身体にぴったりと合ったシャツも、ズボンも、ためらいもなく引き締まった身体から?ぎ取っていく。
 滑らかな肌だが、傷だらけだった。肩と脇腹に、とりわけはっきりと残った傷がある。脇腹の傷は父が治療したものだろう。肩の傷は矢が刺さった箇所を縫い合わせたような傷だが、周囲に引きつれた火傷のような痕が広がっている。
 ──銃に撃たれたらああなるのかも……そっか、撃たれたことあるんだ。
 リーシュカの視線に気付いたように、ルドヴィークが言った。
「傷だらけで汚いだろう。怖いなら見なくていい」
 ルドヴィークが枕元の灯りをまさぐると、部屋は薄暗くなってしまった。明るいところでルドヴィークの身体を見たかったと思いながら、リーシュカは首を横に振った。
「汚くないよ……ルディは綺麗……」
 リーシュカの顔に、ルドヴィークの美しい顔が近づく。唇は笑みの形だった。
 思わず手を伸ばして彼の身体に触れる。服は纏っていなかった。今だけは触っていいのだ、この愛おしい身体に。
 そう思った刹那、リーシュカの身体の芯を異様な痺れが駆け抜けた。
 唇に唇を塞がれ、リーシュカは熱い舌に己の薄い舌で応える。
「ん……う……」
 両手首を押さえつけられたまま、リーシュカは無我夢中で口を開けた。口内をまさぐる舌が粘膜に触れるたびに、びくびくと身体が揺れる。こんな場所を舌で舐められたことなんてない。そう思うと、不安と喜びに心がかき乱された。
「……もっと脚を開けるか?」
 唇を離したルドヴィークに尋ねられ、リーシュカは素直に頷いて両脚を開いた。
 脚の間に割って入ったルドヴィークの長い指が、リーシュカの片脚に掛かる。
 強引に、右足だけが曲げられた。
 ぬるぬるになった秘所が晒されて、閉じ合わさっていた陰唇が、ぐちゅりと恥ずかしい音を立ててかすかに開いた。
「あ……やだ……や……っ……」
 その刺激で、濡れそぼった無垢な襞が意思に反してひくひく蠢く。
 淫らな蜜でぐしょぐしょになっていた秘裂に、ルドヴィークの指が触れた。
「指入れるぞ、いいか」
「……っ、あ……っ……」
 火照り悶える身体が、硬く強ばった。身体は狂ったように雄を欲しているくせに、やはり実際に触れられると恥ずかしさが込み上げてくる。
 じゅぶっという生々しい音と共に、ルドヴィークの指が一本、リーシュカの中に入ってくる。
「ん……っ……」
 はっきりと男の骨張った指を感じ、柔らかな蜜壁が物欲しげに狭窄した。
 思わず腰を浮かしかけたが、片脚を曲げられ、押さえつけられていて、少し腰を揺することしかできなかった。
「まだ中が狭いから」
 脚の間のぬかるんだ場所にルドヴィークの視線を感じ、リーシュカは思わず手の甲で目を覆う。こんなに脚を開かれては丸見えではないか。そう思うと、ますます下腹部が脈打ち、身体が熱くなった。
「ほら、俺の指ですらきついだろう」
 言葉と共に、長い指がずぶずぶと奥まで沈んできた。
「や、やぁ……あ!」
 逃げようとする腰は、曲げられた脚ごと押さえつけられたままだ。中を慣れた指で押し広げられ、リーシュカは自由なほうの片足で敷布を蹴る。
 隘路をこね回され、リーシュカは虚しくもがいた。頭とその場所が直接?がってしまったかのような刺激に激しく息が乱れる。
 強引に広げられた襞は熱を帯び、蜜がしたたり落ちたのがわかった。

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