ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

子づくり目的の政略婚なのでわたしは愛されない妻になるはずですが?

子づくり目的の政略婚なのでわたしは愛されない妻になるはずですが?

著者:
小山内 慧夢
イラスト:
鈴ノ助
発売日:
2025年11月06日
定価:
869円(10%税込)
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今夜は骨の髄まで君に愛を注ぐからな。覚悟するといい

女王陛下に愛を捧げていると噂のある近衛騎士団長ファルクと、王命で結婚することになった伯爵令嬢リーシャ。しかも、婚約期間もなく即結婚して一年以内に子を孕み、産まなくてはならないらしい。ファルクは最悪な結婚に巻き込んだことに気が引けて、視力が悪いリーシャが彼の顔をよく見ようと目を眇める様子を「怒って睨んでいる」と勘違い。リーシャは愛する人がいる彼を早く解放せねばと意気込み、ファルクも彼女を不本意な結婚から解放しようと子づくりを頑張ることになって……。

硬派な近衛騎士団長 × 逆境に前向き令嬢
子づく離婚予定だと思っていたらまさかの溺愛!?

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登場人物紹介

リーシャ

リーシャ

冷遇されている伯爵令嬢。繊細で儚げな容姿に似合わず前向きな性格。眼鏡がないと人の顔の判別も難しい。

ファルク

ファルク

次期カルカヤ侯爵であり、近衛騎士団長。有能なうえ麗しい美貌のせいで“ある噂”に悩まされている。

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「……ずっと見られていると、案外恥ずかしいものだな」
 そう言われて初めて、リーシャは自分が口付けを受けている間中ずっと目を見開いていたことに気付いた。
「す、すみません! よくわからなくて……。あの、いつ閉じればいいのでしょうか」
 そんな細かい作法までは教わったことがないリーシャに、ファルクは苦笑する。
「いや、君に隠すべきことはないから、見たければ見ていてかまわない」
 少しだけ照れくさそうな声音を感じ取ったリーシャは、いずれ習得しなければいけないことだと心に留める。
 背中に手が添えられそっとベッドに押し倒されると、動悸はさらに激しくなった。
 視力のせいでぼやけた顔が口付けのために再び近付いてくると、ファルクもリーシャを見ていることがわかる。
「……あまり見ないでください」
「ふふ、照れくさいだろう? でも見ていないと目的の場所にキスできないからね」
 そう言うと再び唇を合わせてくる。
 啄むように軽く合わせてからしっかりと合わせる。
 何度もされているとファルクの唇の感触にも、彼の味にも慣れてくる。
「舌を出して」
 言われた通りにすると、ねっとりと重ね合わされてしまう。
「ふあ、あ、あぁ……っ」
 舌先を吸われると身体中が痺れるような快感がリーシャを包み込む。
 腹の奥が切なく潤み、リーシャは内腿をきつく擦り合わせた。
「んう、う……ふ……っ」
 ファルクの手が震えるリーシャを落ち着かせるように何度も撫でる。
 そのうちにその手は胸下や腹、そして太腿にまで伸びた。
「あっ」
 明確に胸のふくらみを揉まれ身体が跳ねる。
 服の上からでもそんなふうに反応してしまうというのに、もしも素肌に触れられたらどうなってしまうのだろう。
 そんなことを考えていると、ファルクが身体を離した。
 どうしたのかと思っていると、彼はおもむろに服を脱ぎ出した。
「あ……っ」
 互いに着衣のままだったことを思い出したリーシャも慌てて起き上がり、服を脱ごうとする。
 だが、残念なことに本日着用しているドレスは後ろに留め具がついているものだった。
 今朝アレッタが準備してくれたものをそのまま着せ付けられたことを思い出す。
(ああ、なんてこと……っ! でも、朝の時点ではこんなふうになるとは思っていなかったから……!)
 今夜ファルクに抱かれるだろうということは承知していたが、それでもこんなふうにいろいろと急に展開するとは思っていなかったのだ。
 こうなると知っていたら自分で脱ぎ着できるドレスにしたのに、と唇を尖らせるとファルクが笑う。
「ふ……、リーシャは大人しそうにしていても感情が顔に出るな。君の服は私が脱がせるからちょっと待っていてくれ」
 そう言うとファルクはあっという間に服を脱いでしまった。
 鍛えられた首、張りのある皮膚の下には恐ろしく発達した筋肉がある。
(わあ……、すごい。男の人の身体って、ぜんぜん違う……)
 純粋に感動しているリーシャだったが、ふと視線を下に落とすとそこに見覚えのない凶悪な肉棒が目に入った。
「……っ」
 それはすでに臨戦態勢の形になっており、リーシャを慄かせた。
(あれがわたしの身体に……? 無理があるわ!)
 生唾を飲んだリーシャの肩に力強い手が置かれた。
「さあ、リーシャ、後ろを向いて」
「……っ」
 逃げる気はなかったが、『逃げられない』という意識がリーシャを雁字搦めにした。
 もちろんファルクはリーシャを乱暴に扱うことはない。
 まるで王族にするように恭しく、ドレスの留め具を外していく。
 ドレスによる締め付けがなくなっていき、リーシャは肌着一枚を残した無防備な姿になった。
 薄く肌が透けてしまうそれは前合わせのため、リーシャが紐を引いて脱ぎ去ろうとしたが、ファルクの手がそれを包み込んで止める。
「……ファルク様?」
「私が」
 短くそう言うと、ファルクはリーシャがつまんでいた紐を引き、そのまま後ろから胸に触れた。
 大きな手のひら全体で包み込むようにされると、これまでの触れ合いで立ち上がっていた乳嘴が刺激されてしまう。
「ひあんっ」
 はしたない声が漏れてしまい、興が削がれるのではないかと気にしたが、ファルクはやめるどころかさらにしつこく胸を揉みしだく。
「あ、……はぁ……っ、ファルク様……っ」
「細いのに胸は豊かだなんて、リーシャは男心をわかっている」
 よくわからないことを言われ、指が埋まるほど揉まれると息が上がってくる。
 リーシャは喘ぎながら首を振った。
「あ、ふ……ぅっ、そんな、胸なんて……」
 触っても面白くないだろう眉を下げるが、ファルクは揉む指に力を籠める。
「なにを言う。ここには男のロマンが詰まっている、ほら」
 そう言って指で尖った乳嘴を弾く。
 急に与えられた鋭い刺激にリーシャの身体は跳ねる。
「ひゃあ! あ、あんっ」
 左右万遍なく刺激を与えられ、身体を支えていられなくなったリーシャは上体をファルクにもたれさせた。
 身体の中に熱が溜まり、我慢できない声が喘ぎとなって漏れる。
 特に下腹部がジンジンと痺れた。
「ふぁ、あ……、ファルク様ぁ……」
 身体が変だと訴えるが、甘えたような声になってしまって切迫した雰囲気はまったく伝わらない。
「大丈夫、ぜんぜんおかしくないから……」
 耳元でファルクが囁きながら耳殻を舐る。
 そうするとさらにリーシャの身体はなにかから逃げようと、腰をくねらせた。
 すっかりファルクに背中を預けるような格好になってしまったリーシャは顎を反らして酸素を欲する。
 どうしてか興奮しすぎて吸っても吸っても息が入ってこない。
 ただ、がっしりとしたファルクの胸板に支えられていると、それだけで安心できた。
「リーシャ、なんて可愛いんだ……」
 顎を取られて唇が重ねられると、さきほどの快感を追うように舌が勝手にファルクのそれを迎えに行く。
 ちゅぷ、と舌同士が絡まりそこからまた身体の芯を震わせるような快楽が生まれる。
「ふぅん……っ」
 鼻にかかった声が自分から発せられたのが信じられないくらいに艶を含んでいた。
 リーシャは腰に蟠るものから逃げるように脚をくねらせた。
「ここがつらいのではないか?」
 ファルクが膝から太腿に手を滑らせると、内腿を撫でた。
 途端に中のほうがヒクリと収縮する。それは初めての感覚でよくわからないが、拒否ではなく悦びのほうが勝るものだ。リーシャが小さく頷くと、ファルクは秘裂に指を這わせる。
「ん、あ……っ! あぁ……っ」
 潤んだ柔らかい肉襞をファルクの指が暴いていく。
 流れの速い川で溺れたように、リーシャは唇を嚙みながら襲い来る快楽を耐えた。
 しかし見かけよりも太く感じるファルクの指が敏感な花芽に触れると、目の前が真っ白になった。
「ふぁ、ああ……っ!」
 大きく腰を戦慄かせて、リーシャは達した。
 しかしファルクの指は止まるどころかさらに奥を暴こうと蜜口に達する。
「ひ、あ! ファルク様、そこは……っ」
「ああ、もっと気持ちよくなれるところだ」
 何度かそこを指の腹で探ったファルクが指先をゆっくりと差し入れた。
「あ、あぁ……っ、や……っ」
「きついな……、力を抜いてくれ」
 ファルクが指を前後させると淫らな水音がし始めて、リーシャは顔が熱くなるほどの羞恥を覚える。
「や、駄目です……、恥ずかしい……っ」
 しかしファルクは指を止めないどころか、角度をつけたり指を器用にくねらせたりして止める気配はない。
 神経が焼き切れるような羞恥の中ファルクの指がある一点を掠めると、リーシャの身体が激しく跳ねた。
「ふぁああっ!?」
 そこに触れられると声が我慢できない。
 頭の中で泡が弾けるような感覚がして、なにもわからなくなってしまう。
「あっ、あ、ああ……っ、や、やあ……っ」
 次々と泡が弾け、リーシャはもがく。手が届くところに必死に腕を回してしがみつくと、一等感じるところをぐりぐりと押されてそのまま達してしまった。
「ひあ、ああ……っ、あ、ふ……」
 激しく消耗した身体は力が入らない。
 リーシャはぼんやりする頭で、自分の体勢が変えられるのを感じた。
 膝を開かれ腰の下にクッションが宛がわれるのがわかるが、思考に霧がかかったようになっていてされるがままだ。
「リーシャ……私を受け入れてくれ」
 ファルクの低く心地よい声が降ってきて、リーシャは僅かに顎を引いた。
(ファルク様のことを拒否するなんてこと……ありません)
 だって好きなんだから……とぼんやり考えたリーシャは、あわいに宛がわれた熱い肉の感触に気付く。
 指とは違うと思った次の瞬間、それはリーシャの蜜口を犯しミリミリと割り裂いた。
「ひ、ぐ……っ、あぁっ!」
 圧倒的な質量でリーシャを驚かせたそれは、ファルクの猛りきった男根だった。
「く……っ、リーシャ、力を抜いて……」
 言われていることはわかるが、どうやったらそこから力が抜けるのかわからず、リーシャの蜜洞はぎゅうぎゅうとファルクを締め付けた。

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