結婚できずにいたら、年下王子に捕まっていました 引きこもり新婚生活編
- 著者:
- 市尾彩佳
- イラスト:
- 笹原亜美
- 発売日:
- 2026年04月03日
- 定価:
- 847円(10%税込)
君を愛する僕を、体でも思い出して
フレデリックの妻となったジュディスは毎夜のごとく体を求められ、若い彼の要求に応えようと体力作りに励む日々。臣籍降下し公爵となったフレデリックは中央の政治に関わりたくないのに、王宮からある令嬢を預かってほしいとの依頼が。フレデリックはしぶしぶ引き受けたものの、令嬢に一切関わろうとしない。幼い令嬢を放っておけないジュディスはもてなそうとしていたが〝事故〟に巻き込まれフレデリックと結婚した記憶だけを失ってしまう。彼女の記憶を取り戻したいフレデリックは、強引に唇を重ね――。
策士な駄々っ子年下公爵×記憶喪失の新妻、邪魔ばかり入る新婚生活、甘々な二人の愛が試される…?
ジュディス
公爵夫人。人に優しく芯が強い。自分と結婚するために立場を捨てたフレデリックのために何かしたいと思っている。
フレデリック
第三王子だがジュディスとの結婚を機に臣籍降下し公爵に。領地に引きこもり外界と距離を置こうとしているようで…?
寝支度前の入浴を終えてバスローブをまとって脱衣所に出ると、何故か肌の手入れに使うベッド状の施術台にフレデリックが座っていた。夜着にガウンをまとった姿で。
「え!? フレド? どうしてここに?」
裸を何度見られていたって、恥ずかしいものは恥ずかしい。ローブの下には何一つまとっていないし、風呂上がりのせいか妙に無防備な気分になる。
とっさにガウンの前を搔き合わせたジュディスを見て、フレデリックは施術台から下りて悠々と近付いてきた。
「今日は私がジュディのお手入れを担当しようと思ってね」
「ちょ! ちょっと待って!」
いつもはメイドの誰かにしてもらっていることを、フレデリックにしてもらうなんてとんでもない。
ジュディスは浴室に戻ろうとしたが、フレデリックはものの数歩で距離を詰め、ダンスのような優雅なエスコートでジュディスの進む方向を変えてしまう。
決して強引ではないのに、ジュディスの足はステップを踏むように自然と動き、気付けば施術台の前まで来てしまっていた。
「さ。ガウンを脱いで上がって上がって」
「ああああのっ、できたらメイドさんたちに」
「他の用事を頼んでしまって手が空かないんだよ。ごめんね?」
「だったら自分で」
「手の届かないところはどうするの? 背中とか」
「じゃ、じゃあ背中だけお願いするというのは」
「背中だけっていうのもなぁ……自分で手入れするときって、意外と見落としがあるものだよ? 長話してると湯冷めしちゃう。さ、横になって?」
フレデリックはそう言いながら、ジュディスを持ち上げて施術台の上に座らせる。そのまま横になるよう促されて、仕方なしに俯せになった。
ガウンを脱がすことは諦めてくれたようで、ジュディスはそのまま両腕を組んで枕にする。
(ガウンから出ている部分だけにしてくれることにしたのかしら?)
「それじゃあ始めるよ」
香油を手に取って温めていたフレデリックが、そう言って足に触れてくる。
温かくぬるっとした手が踵に触れた瞬間、びくっと震えてしまう。
(おかしな反応をしてはダメよ。これはお手入れ。お手入れなの)
単純に恥ずかしいからというのもあったが、こうなるのが嫌だったから遠慮したかったのだ。
結婚してからというものますます睦み合う機会が増えて、フレデリックにちょっと触れられただけで期待するかのように身体が震えてしまう。そんな淫らな自分に気付かれたくなくて、身体は強張る。
「あれ? 緊張してる? おかしいな。マッサージ効果でリラックスするはずなのに」
フレデリックはジュディスの片足を持ち上げて、爪先からふくらはぎを丁寧に擦る。香油のせいか、やけに敏感に快感を拾う。
「~~~~~!」
声が出そうになるのを歯を食いしばって耐える。
それができたのは、ふくらはぎとすねに香油を摺り込まれているときまでだった。
ガウンの裾からフレデリックの香油でぬるっとした手が入り込み、太腿の裏側をお尻に向かって撫で上げる。
「ひゃあ……!」
ジュディスは驚いておかしな悲鳴を上げてしまう。
「フレド何を!?」
真っ赤になってわずかにフレデリックのほうを振り返りながら叫ぶ。
フレデリックはきょとんとしてジュディスの顔を覗き込んできた。
「何をって、お肌の手入れだよ? まさか膝下までで終わりにするとでも思ってた?」
「んあっ、あっ、んっ」
その通りですとは言えず、気が動転して緩んだ唇からの喘ぎ声を止められない。
フレデリックがジュディスのガウンの紐を引き抜いて施術台の下に落とす。途中香油を注ぎ足し、ガウンの裾をめくりながら、お尻、背中、肩甲骨へと香油を塗り込めていった。
「ふふっ。ようやくリラックスしてくれたね?」
肩から首にかけて香油でしっとりするころには、ジュディスの身体は快感に蕩けてくったりとしていた。
フレデリックはジュディスの腕からガウンを引き抜き全裸にさせると、仰向けにして指の先から香油を塗っていく。両腕とも肩口まで塗り終えると、次は太腿の表へ。
そのころにはもう、明らかな愛撫の手付きになっていた。ジュディスがびくっとしたり身体をくねらせたりと反応するのを確かめながら、特に感じやすいところを念入りにこする。
快感を逃がそうと身をよじっているうちに、頭に巻いていた布がほどけて、こまめな手入れで艶やかになった栗色の髪が波打ちながら狭い施術台に散って端から落ちる。
「フレド……イヤ……恥ずかし──」
広々とした脱衣所のほぼ中央に置かれた施術台は、四方に二つずつかけられているランプのせいでかなり明るい。きっとフレデリックの目にも香油に明かりが反射して輝いて見えることだろう。自分がいやらしい姿をさらしていると気付くと、恥ずかしくて全身が一層火照ってくる。そんな様子がフレデリックをいっそう興奮させているとも気付かずに。
両胸にもこねるようにして香油を塗り込んだフレデリックは、息も絶え絶えにあえぐジュディスを見下ろしながら身体を起こした。
「安全なものだと聞いているけれど、念のため拭いておくね」
そう言って両手を布で拭うと、フレデリックは自身のガウンを、次いで夜着も脱ぎ捨てた。するとそれらに押さえつけられていた昂ぶりが勢いよく飛び出す。視界の端でそれを捉えたジュディスは、赤くなって慌てて目を逸らした。その隙に、フレデリックの両手がほっそりとした太腿を割ってその奥へと片手を忍ばせる。
「わあ、外までべたべただ。期待してくれていた?」
「……」
ジュディスは赤い顔のまま、恨めしげにフレデリックを見る。マッサージが明らかな愛撫に変わるころにはこうなることがわかっていたが、それは期待とは違う。秘所がすでに濡れそぼっているのは、いつもとは違う愛撫に身体が敏感に反応してしまったせいだ。
口に出さずとも気持ちは伝わったのだろう。フレデリックは「ごめんごめん」と言って、蜜口の縁を指先でなぞる。
「んんっ」
声はこらえたのに喉が鳴る。得たりと言わんばかりの笑みを向けられ、恥ずかしくて顔をそむける。
フレデリックの指が、ぬかるんだ蜜口に沈んだ。増やされた指に内壁をこねられ、ジュディスは思わずあられもない声を上げる。
「柔らかくて気持ちいい。指だけでもイッてしまいそうだ。ねえ、もう入れていい?」
甘ったるい声で囁かれ、ジュディスは我を忘れてこくこくと頷く。
快楽にすっかり慣らされてしまって、魅惑的な誘いに抗えない。
