ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

人形女王の婿取り事情~愛されているとは思ってもいませんでした。

人形女王の婿取り事情~愛されているとは思ってもいませんでした。

著者:
イチニ
イラスト:
なおやみか
発売日:
2023年05月06日
定価:
847円(10%税込)
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王配ではなくあなたの夫になりたいのです。

女王ディアナは若いゆえに王として実権を持てず『人形女王』と嘲られ侮られていた。王配ニコラウスと一度も閨を共にしたことがないまま、彼は横領事件を起こして亡くなってしまう。最大級の天災に見舞われた国を導いていかなくてはならない状況で、ディアナは周囲に再婚を求められ……。そんな彼女の元に、かつて王配になることを厭うて隣国へ留学したはずの元婚約者ハインツが現れ、再婚相手に自分を選んでほしいと言い出して――。

慇懃無礼な伯爵令息×孤独な女王、身分差ゆえのすれ違い両片思いの行方は――。

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登場人物紹介

ディアナ

ディアナ

レハール王国の女王。喜怒哀楽が表情に出ない。実権のない王である自分を情けなく思っている。

ハインツ

ハインツ

キッテル伯爵令息。慇懃無礼な笑い上戸。幼いころからディアナの婚約者だったが……。

お試し読み

「粗相をしたわけではないし、月のものがきたわけでもないです。女性は快楽を得ると、性器が濡れるのです。あなたがぐしょぐしょに濡れているのは、俺の愛撫で快楽を得たから。ごくごく当たり前の現象です。別におかしなことではありません」
 閨事について書かれた本に、男性器を挿入しやすくするために女性器が潤う、と書いてあったのをディアナは思い出す。
 粗相をしたわけではないとわかり安堵したのは一瞬だ。
「どちらにしろ、そのようなものを口に入れるのは、汚いです」
「汚くはないですよ。ディアナ、下穿きを脱ぎましょうか」
「…………なぜです?」
「濡れていて気持ちが悪いでしょう? 俺が脱がしてあげます」
 ディアナが拒否する前に、ハインツはすばやくディアナの下穿きに手をかけた。
「ほら、ディアナ。腰を浮かせて」
「……ですが」
「下穿きを汚してもいいんですか?」
 促すように太ももをぽんと叩かれる。
 ディアナの衣服は侍女が管理していた。もちろん下穿きも、傷んだら侍女が新しいものと取り替えてくれていた。今穿いている下穿きも、洗うにしても捨てるにしても、侍女の目に触れる。これ以上、汚したくなかった。
 ディアナは釈然としなかったが、腰を浮かせる。
 ハインツの手が、するすると下穿きをずらしていく。そして、下穿きをずらした手がやんわりとディアナの脚を開かせた。
「ハインツっ……」
 ディアナが脚を閉じようとすると、ハインツは強引に脚の間に身体を入れてきた。
「どうしても嫌なら、俺の肩をバシバシ叩いてください。そうしたら、やめます」
 ハインツはそう言うと身を屈め、ディアナの脚の間を覗き込む。
「剃っている……? いえ、薄いんですね。産毛みたいだ」
 ディアナの秘処の茂みを、ハインツが指で探った。
「やっ……あっ」
 やめてと言いかけた声が弾んだ。
 茂みを撫でていた指が、ぬるりと滑るように、奥へと忍び込んでくる。
 初めて味わう感覚にディアナは震える。ハインツの指先が当たっている場所も、ひくひくと震えていた。
 ハインツはディアナのそこの濡れ具合を確かめるように、秘裂の上で指を動かした。
 漏れ出したものを塗り広げていたかと思うと、幼子が水遊びするかのごとく指を弾ませる。ハインツの指の動きに合わせ、くちくち、と湿った音が鳴った。
 女性は快楽を得ると、性器が濡れる。ぐしょぐしょに濡れているのは、愛撫で快楽を得たから──。
 先ほどハインツが口にした言葉が頭の中に浮かんだ。
(ならば……自分は、今、快楽を得ているのだろうか……)
 そう考えている今も、そこはヒクヒクと蠢き、とろりと蜜を吐き出していた。
「……ふっ……んんっ」
 じくじくと、そこが熱くなっている。
 唇を嚙んでいても、鼻から息が漏れる。
 これが快楽というものなのかはわからない。けれど秘裂から離れた指を追いかけるように、ディアナは腰を浮かせてしまった。
「……ディアナ……」
 掠れた声でディアナの名を呼んだハインツは、内股に手を置き、さらにぐっとディアナの脚を割り広げた。
 そして、広げた先にある中心に顔を埋めた。
「……ん、あっ」
 柔らかなものが陰唇に触れる。
 ちゅっと軽く吸われ、その柔らかなものがハインツの唇だと気づく。
 どうしてそんなところに口づけをするのだ。やめて。汚い。
 言葉が駆け巡るが、後ろ頭がじんと熱くなり、思考がぼやけていく。
「……っ」
 指が陰唇を割った。
「……綺麗で可愛い。なのに、いやらしく濡れそぼっていますよ」
 熱く潤んだ場処に、ねとりと何かが……舌が触れた。
 太ももがぶるぶると震える。
 自分ですら見たことのない場処を、ハインツに見られ、舐められている。羞恥と背徳感に、ディアナは涙を滲ませた。
『俺の肩をバシバシ叩いてください』
 かろうじて残っていた理性で、ハインツの肩を叩こうとしたのだが──。
「……あぁ」
 秘裂の上部に舌先が触れ、ディアナの腰が跳ねた。
 鮮烈な刺激に、ディアナはシーツに爪を立てる。
 そこの上で舌が踊るたび、陰部が蠢き、身体の奥がとろとろと蜜を吐き出した。
 蜜を吐き出しているそこに、硬いものが触れた。
「……ひっ、ん」
「こんなに濡れているけど……あなたは、ここも小さい……」
 くぷっと身体の奥に、何かを含まされた。
「……やっ」
 ディアナは身を縮こませた。
「まだ指先だけなのに、キチキチです。ディアナ、こんなに狭くて……濡れてもいなかったんでしょう? よくニコラウスのものを飲み込んでいましたね。いくら何でも、指以上に小さくはないでしょう? 潤滑剤を使っていたんですか?」
 ハインツが矢継ぎ早に訊ねてくる。
 身体の奥がじくじくしていて、それどころではないこともあり、何を言っているのか理解が追いつかない。
「子作りのため、ここにニコラウスの男性器を挿入していたのでしょう? それにしては、あなたのここは狭すぎる。ここを拡張できる、何か特別な潤滑剤的なものを塗って、交合をしていたんですか? ……いえ約束は守ります。もちろん俺は挿入はしません。単なる好奇心で訊いているだけです」
 女性は交合をし、子を孕む。交合とはすなわち、女性器に男性器を挿入する行為である──。かつて書物で学んだ閨作法を思い出したディアナは、ハインツの触れているその場処が、男性器を挿入する『膣』なのだと気づく。
 男性器がどれほどの太さを持つのか、ディアナははっきりとはわからない。けれどハインツの言葉どおり、指より細くはないだろう。
 痛みこそなかったが、指でこれだけの圧迫感があるのだ。男性器がその場処に入るとは到底思えなかった。
「……やはり、私には子作りは無理なのです……」
 ディアナは震える声で訴えた。
『あなたが女として不出来なせいでしょう』
 母の言葉は正解だった。この身体は、女として未熟すぎる。
「男性器を挿入されたら……裂けてしまいます」
「…………あの男に、それほどまでに酷い真似を? ……ならば、ここは怖いですね……。大丈夫、ここは触りません。こっちで気持ちよくなってください」
 ハインツはそう言うと、指を上へと滑らせた。
「あなたは、ここも小さいけれど……」
「……あっ」
 先ほど舌で触れていたところを、トンと叩かれる。
「可愛いな……ここを触ると、蜜が溢れてくる。舌なら、怖くないかな。大丈夫、裂けたりしない。舐めるだけだから……」
「……っ、んん、やっ、ぁ……」
 膣の周りをぬるぬるとしたものが這う。
 こぼれた蜜を舐め取るというより、舐め広げるように舌先が旋回する。
 その間も、指は秘裂の上部にある粒をくりくりと弄っていた。
「はっ、ん、ん……」
 ディアナは左手でシーツを掴み、右手で口を押さえる。しかしいくら押さえても、荒れた息が出てしまう。
 舌がねっとりと秘裂を舐め上げ、ちゅっと、指で触れていた場処を吸った。
「ひっ……あ」
 ぎゅうと膣が窄まる。頭の奥がじんと熱くなり、身体全体が浮き上がるような感覚がした。背筋を反らし、ディアナは初めての悦楽に身を震わせた。

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