
悪女を演じる没落令嬢は、陰キャ貴公子のガチ恋執着から逃げ出したい
- 著者:
- 葉月エリカ
- イラスト:
- サマミヤアカザ
- 発売日:
- 2025年08月05日
- 定価:
- 869円(10%税込)
きみを独占したくて、我慢できなくて、いろいろやりすぎちゃったけど、許してくれる?
病気の弟のため、素性を隠して舞台女優をしているパメラは、悪女役ばかり演じるせいで経験豊富だと誤解されがち。ある日侯爵家から、『天使』の絵を描き散らす引きこもりの嫡男ユーリルを、「しかるべき令嬢を娶れるまっとうな貴公子」に変身させるため、演技指導の依頼を受ける。弱音を吐きつつも特訓のおかげで成長を遂げたユーリルは、いつしかパメラに恋をしていた。ほだされて体を重ねたものの、彼の将来のため別れを告げようとするパメラは、狼狽したユーリルに強引に体を貫かれ――。
こじらせ侯爵令息×たくましい没落令嬢、初心で一途な恋情から逃げたはずなのに!?


パメラ
家族を養うために、身分を隠して女優をしている伯爵令嬢。悪女役が多いせいで経験豊富な女と誤解されがちだが……。

ユーリル
引きこもりで隠キャの侯爵家嫡男。幼い頃に会った『天使』に愛を捧げている。身なりを整えて磨いてみたら……。
ユーリルが腰を突き出した瞬間、愛液を纏った切っ先が滑り込んできて、パメラは息を吞んだ。
(え……ほんとに、入って──)
すでに充分潤っていた秘裂は、規格外のものを意外にもすんなりと吞み込んだ。
とはいえさすがに全部ではなく、埋めきれない肉棒で互いの体が繫がっているのが、はっきりと目に入ってしまう。
「……っ、待って……こんな気持ちいいなんて、聞いてない……」
初めて知る女性器の感触に、ユーリルは息をするだけで精一杯らしかった。パメラの両脇についた腕が、ぶるぶると細かく震えている。
「熱くて、狭くて、ぬるぬるで……このまま、全部包んでほしくなる……っ」
「ぁんんっ……!」
体重をかけられ、膣道がみちみちと広がった。
痛いというより、骨盤を砕かれそうな圧迫に息が詰まる。鉛の塊を埋め込まれたように、下腹部がずぅんと重い。
やっとのことで根本まで侵入された、そのわずか数秒後。
「あぁっ、……だ……駄目だ、もう……!」
びくびくびくっ! と激しい脈動が伝わり、体内に熱いものが広がった。
天を仰いで呻いたのち、ユーリルの首ががくんと落ちてくる。
「ええと……今のって」
「うん……──出ちゃった」
視界に映るのは、情けなさそうにうなだれるユーリルのつむじだった。
呆気ないといえば呆気ないが、安堵もする。処女であることを隠し通したまま、とにかく失態を晒さずにすんだのだ。
「大丈夫よ。初めてなんだし、がっかりしなくても、また今度──」
「今度じゃ嫌だ。今がいい」
顔を上げたユーリルの気迫に、パメラは圧倒された。
「まだできる。続けてできるから、ここからが本番だってことにさせて。お願い」
「ほ、本番って……ぁあんっ……!?」
油断大敵とはこのことだ。
挿入と同時に射精を果たした男根は、硬さも大きさもいっかな衰えていなかった。
腰を動かされ、ぐちゅぐちゅとなすりつけられて、悪寒にも似た快楽が走る。
「やぁぁっ……──ぁあ、あ!」
「……パメラ……パメラ……っ」
引いては押し込め、奥まで突き入れてはまた戻って。
がむしゃらな抽挿を繰り返しながら、ユーリルは狂おしげにパメラの名前を呼んだ。
結合部から響く水音が大きくなり、肌同士がぶつかる音も混ざってくる。
「はぁ……っ、……これで、いい? 僕だけじゃなく、パメラも気持ちいい……?」
「あ、ぁぁっ……いい──」
甘ったるい喘ぎにまぎれ、本音が零れ落ちた。
処女なのに最初から感じてよがるだなんて、男に都合の良い妄想だろうと思っていたが、我が身に起きている以上、否定できない。
一方のユーリルは少しだけ余裕が出てきたのか、打ち下ろす角度に変化をつけて、パメラがより乱れる場所を探っていた。
「どこだっけ……さっき、指で押したときに締まったところ……このへん……?」
「ひぁぅっ……!」
「そっか、ここだったね」
教えてくれてありがとうとばかりに、ユーリルは破顔した。
そんな無邪気な表情のまま、太いもので弱点をごりゅごりゅと突き捏ねてくるのだから、たまったものではない。
「ぁあ、あ、や、そこぉ……っ!」
「ん、……いっぱい擦るね、──っ……」
臍の裏を亀頭で攻められると、濡れ襞は媚びるように肉棒に吸いついた。
中に溜まった精液がいっそう滑りをよくして、溢れて搔き出されるもので、お尻の下の敷布はぐしょ濡れだ。
「あぅ、……あっ、ああ……」
パメラの脚はいつしかユーリルの腰に絡み、もっと密着したいと誘っていた。
達しそうになるのを堪えて眉間に皺を寄せたユーリルが、パメラを搔き抱いた。
「夢じゃない、よね……パメラと……ずっと好きだった天使と、こんなことをしてるだなんて──」
「あっ……やぁ、んん!」
囁きざま耳に齧りつかれ、理性の箍がまたひとつ外れた。やはり自分は、そこが特に弱いらしい。
ひとしきり耳を嬲ったのち、ユーリルはパメラの唇に食らいついた。
彼のほうからするキスは、これが初めてだ。頰の裏側を舐め、口蓋をくすぐり、赤ん坊が乳を飲むように舌を吸い──と無我夢中で蹂躙される。
息継ぎに顔を離したユーリルの眼差しは、快感と多幸感に蕩けていた。
「セックスしながらのキス、すごい……すごく、パメラと繫がってる感じがする……」
幾度となく唇を交わし、口腔をねぶり合っていると、蜜洞を押し広げるものがますます硬度を増していく。
興奮したユーリルが最奥をどちゅどちゅと突き上げると、子宮口が圧迫され、蜜襞が痙攣するように戦慄いた。
(ああ……この感じ、また──)
二度目の絶頂がすぐそこまで迫っている。
刻一刻と熟れていく体は、自分のものではないみたいだ。
繫がったままの腰が浮き、膣内がきゅうきゅうと淫らにうねった。
ユーリルが膝を立て、より深くまで届くようにと肉棒を打ち下ろす。
中を荒らされるのみならず、陰核を押し潰される刺激が加わり、全身を駆け巡る快感にパメラは抗わず身を委ねた。
「やっ、だめ……あっ、あっ、もう……!」
「く、……そんな、締めたら──あぁ、出る……また出る、出るよっ……!」
間を置かず、ユーリルも限界を迎えた。
膨らんだ亀頭からびゅうびゅうと熱い白濁を放ち、一滴残さず吐精するまで腰を強く押しつける。
一度目に勝るとも劣らない量を吐き出し、ユーリルは荒い息の合間に告げた。
「……こんなことしちゃったら、パメラをもっと好きになる」
泣き笑いのような表情に、パメラの心臓が大きく跳ねた。