ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

咎の楽園
  • yondemill

咎の楽園

著者:
山野辺りり
イラスト:
ウエハラ蜂
発売日:
2014年04月03日
定価:
660円(10%税込)
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穢して、ただの女にしてあげる。

傷付けてでも貴女が欲しい――。閉ざされた島、そこに建つ教会で、聖女として決められた役割をこなすだけだったルーチェの日常は、年下の若き伯爵フォリーに抱かれた夜から一変する。十三年振りに再会した彼に無理やり純潔を奪われ、快楽を教えられ、聖女の資格は失われた。そのうえ気絶している間に、島の外に連れ出され……。逃げることを許されず、狂おしいまでにフォリーに求められ、ルーチェの心は乱されていくのだが――。

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登場人物紹介

ルーチェ

ルーチェ

神に祈りを捧げる当代の聖女。物心ついたときから島の外に出たことがない。

フォリー

フォリー

優秀と名高い若き伯爵。幼い頃にルーチェに助けられ、恋心を抱くが――。

お試し読み

「はは……っ、じゃあ耐えてみせてよ。神への誓いと肉欲の誘惑……どちらが強いのかな」
 暗く淀んだ瞳には見覚えがあった。出会った当初フォリーが浮かべていた絶望の色だ。
 十三年前共に過ごした一週間で打ち消せたと思っていたのに、大層な勘違いだったらしい。手負いの獣は、変わらずフォリーの中に住んでいた。
「……! あぁっ?」
 太腿を抱えられ膝を曲げられてしまえば、誰にも見せた事のない穢れた場所がフォリーの目の前に晒される。更に衝撃はそれだけでは収まらず、秀麗なフォリーの顔が足の付け根へと埋められた。
「やっ!? ぃやぁっ!?」
 舐められたのだと頭は理解しても、心が拒絶する。
 それなのに舌全体でねぶられ、尖らせた先で突かれれば身体は激しく痙攣した。息をする間もなく嬌声が零れ、全身の毛穴が開き一気に汗を放出する。極彩色の世界がそこにはあった。
「ぁっ、うァッ……嘘……っ、汚い……!」
「汚くなんてないよ。むしろ綺麗過ぎて怖くなる。誰にも踏み荒らされていない新雪を蹂躙しようとしているみたいで、少しだけ罪悪感が湧くかな。でも今から僕が穢してあげる。二度と引き返せないように」
 口元を拭いながらフォリーは妖艶に微笑んだ。顔立ちは愛らしいままのはずが、別人のように獰猛な印象を醸していた。
 指とは違う生温かい肉厚な組織が、すっかり膨れ上がった真珠を再び転がす。
「は、ぁっ、あ……ああッ」
「……ん、指と舌どちらの方が気持ち良い? ルーチェ?」
「そんなの……分かんな……っ、ゃあッ」
「じゃあ、比べてごらん? ほら」
 きゅ、と摘ままれ二本の指で嬲られるのは最も敏感な場所だ。反動で跳ね上がった腰は不本意にもフォリーへ押し付けられ、更なる悦楽を生む事になる。
「ン、ぁあ……っ!」
「可愛い蕾が顔を出している。どう? 舐める方が良い?」
「変な事言わないで……! も、もうやめて……ゾクゾクしておかしくなる……ッ」
 会話の間にも、絶えずフォリーの指は下肢の突起を弄った。切ない疼きはもう堪えられそうもない。やめてと懇願しながらも、実際ここで手を引かれては一晩中苦しむ事になるのは容易に想像でき、情けなさから新たな涙が伝い落ちた。
 熱を冷まして欲しいと口走りそうになるのを必死に噛み殺し、霞む視界でフォリーを睨む。
「強情だな。そこも可愛いけれど」
「あ……! ふ、ぁァっあ!」
 きゅうっと強めに敏感な芽を摘ままれた瞬間、ルーチェは背をしならせて達した。手足は突っ張り、意思と無関係に跳ね踊る。幾つもの光が弾けて散った。
「今のがイクって事。でもまだ序の口だよ。これからもっともっと快楽を教えてあげる」
 愉しげに謳うフォリーは昔と変わらず純粋な美しさを持っているのに、その瞳には隠しようもなく暗い影が落ちている。それでも惹き付けられずにはいられないのは、かつての面影もまた失われていないからだ。光が強ければ強いほど、後ろに落ちる闇も濃いものへ変わる。
 本能が、これ以上はいけないと訴えた。
 その先を知ってしまえばもう戻れない。自分も、フォリーも。
「フォリー……駄目……」
「ごめんね、ルーチェ。貴女を傷付けてでも……僕はルーチェが欲しい」

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