ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

狂王の情愛

狂王の情愛

著者:
富樫聖夜
イラスト:
アオイ冬子
発売日:
2017年05月02日
定価:
682円(10%税込)
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ねえ、君は今幸せかい?

大国ブラーゼンで人質としての日々を過ごす小国の王女ティアリス。身分の低い母を持つ彼女は、祖国でもブラーゼンでも冷遇されていた。だがある日、ブラーゼンの第四王子セヴィオスに出会う。似た境遇の二人は惹かれあい、愛しあうようになるのだが、セヴィオスの愛はやがて排他的な狂愛に変わっていく。彼の異常な愛に気づかず、王となった彼のために身を引こうとするティアリスは、静かに微笑む彼に強引に組み敷かれ、何度も欲望を注がれて……。
一途で歪な聖なる王×薄幸の王女、常軌を逸した献身愛!

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登場人物紹介

ティアリス

ティアリス

人質として大国へ送られた王女。冷遇されて育ったために、理不尽なことに対しても諦める癖がついてしまっている。

セヴィオス

セヴィオス

大国の第四王子。何事にも無関心だったが、ティアリスと出会い、彼女に優しい世界をつくるため王になる決意をする。

お試し読み

 部屋中に鳴り響く甘い悲鳴をほとばしらせながら、ティアリスは絶頂に達した。
 背中を弓なりに反らし、ビクンビクンと大きく身体を痙攣させながら、身体を駆け抜ける法悦に身をゆだねる。
「……っ……んンッ……ぁ、はぁ……ん」
 セヴィオスは絶頂の余韻に震えるティアリスの汗ばんだ肌を宥めるように撫でていたが、彼女の呼吸が少し落ち着くのを見計らって、そっとベッドに身体を横たえた。ティアリスの太ももから膝の部分にまとわりついていたドレスやシュミーズ、それにドロワーズの残骸を引き抜き、すべて床に落とす。ティアリスはベッドに力なく肢体を投げ出し、荒い息を吐きながら呆然と天蓋を見つめていた。それを眺めながら、セヴィオスは自分のトラウザーズのボタンに手をかける。
 やがてすべてを脱ぎ終え、一糸纏わぬ姿になったセヴィオスはティアリスの両脚を押し開きながら、その間に身体を落ち着かせた。ティアリスはぼうっとしていてまだそれに気づいていない。いまだに余韻が覚めていないのか、無防備に晒された淫唇がヒクヒクと引きつり、蜜を吐き出している。
 そこに、反り返り、先走りの雫を垂らしている太い先端を、そっと押し当てる。ゆっくりと上下させると、蜜と先走りの雫が混じり合ってぬちゅっと卑猥な水音を立てた。
 ティアリスは脚の付け根に何かが押しつけられ、敏感な割れ目を擦られるのを感じてハッと我に返った。慌てて頭をあげると、大きく開かれた自分の脚の間にセヴィオスがいて、何か太くて熱いものを押し当てている。それが何であるかすぐに悟ったティアリスはさぁっと青ざめた。
「だ、だめっ」
 身をよじって避けようとするが、がっちりとたくましい両腕に膝を抱えられていて、かなわなかった。
「だめですっ、セヴィオス様! やめてください! 今ならまだ間に合います!」
 目に涙を浮かべ必死にティアリスは懇願する。
「私はセヴィオス様にはふさわしくありません……! セヴィオス様の足を引っ張ってしまう! だから──」
「違うよ。ティアリス」
 黒い瞳に熱っぽい光を浮かべ、猛った浅黒い怒張をティアリスの淫唇になすりつけている一方で、セヴィオスは奇妙なほど穏やかな口調で言った。
「君は僕のためみたいなことを言っているけれど、本当は違う。君が恐れているのは僕の足を引っ張ることではなく、自分が過去にされてきたように再び出自のことで蔑まされることだ。僕のためじゃない。君が僕を拒否するのは全部自分のためだ」
 その言葉はティアリスにまるで頭を殴られたかのような衝撃を与えた。
「本当に僕のためを思うなら、その恐ろしさに一緒に立ち向かうはずだ」
「ち、違……」
 否定の言葉を口にしながら、けれど同時に何かがティアリスの中で囁く。
 ──本当に、本当に違う? ……いいえ。
 セヴィオスの言うとおりだ。ティアリスが聖王妃になりたくないと思うのは、すべて自分のためだった。また蔑まれるのが怖いから。母親のことで何かを言われるのが怖いから。セヴィオスの気持ちを考えたものではない。
「君は何も望まない、何も期待しないと言って僕に何も求めない。でもね、何も望まないということはすべて望んでいるのと同じことだ。だったら、全部あげるよ。君に優しい世界も、僕自身も、僕の国も、子どもも、未来も!」
 突然セヴィオスの腕に力がこもる。セヴィオスはティアリスの両脚を肩に抱え、細い腰を?むと、ぐっと腰を突き出した。
「──その代わり、僕も君のすべてをもらうよ」
 その直後、セヴィオスの猛った楔がティアリスの中にずぶっと突き立てられた。

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