![王様の鳥籠](https://www.sonyabunko.com/wp-content/uploads/2021/03/9784781696959.jpg)
王様の鳥籠
- 著者:
- 桜井さくや
- イラスト:
- 鈴ノ助
- 発売日:
- 2021年04月03日
- 定価:
- 814円(10%税込)
おまえはもう二度と飛び立つことはできない。
終わりの見えない快楽に、リーナは淫らに声を上げながら涙を零した。眉目秀麗な若き国王フェネクスに捕らわれてから、どれほどの時が流れただろう。彼は誰の言葉も聞こうとはしない。リーナが王宮に招待された夜から、その華奢な身体を組み敷き、欲望のままに貪るだけだった。「今さら後戻りなどできると思わないことだ」フェネクスの真意がわからぬまま、ただいたずらに時が過ぎていく。だがフェネクスの正体が、リーナの大切な文通相手だと知り――!?
愛を知らない寡黙な王×悪意を知らない箱入り令嬢、重すぎる執着愛に囚われて――!?
![](https://www16.a8.net/0.gif?a8mat=2BTXYP+F6JZNM+2HOM+BW8O1)
![リーナ](https://www.sonyabunko.com/wp-content/uploads/2021/03/9784781696959chara01.jpg)
リーナ
伯爵家の一人娘。鷹を助けた縁でフェネクスと出会う。以来、彼と会うことはなかったが、5年間文通を続けていた。
![フェネクス](https://www.sonyabunko.com/wp-content/uploads/2021/03/9784781696959chara02.jpg)
フェネクス
若くして王になったが、カリスマ性があり崇拝者が多い。リーナと初めて会ったときは、シュトリと名乗っていた。
「……この話は、もう終わりだ」
「あ……」
ややあって、彼は低く答える。
不意にリーナの手を摑み、強く抱き寄せて無理やり唇を重ねてきた。
「……んっ……う」
もしかすると、怒らせてしまったのだろうか。
一気にすべてを知ろうとしたのがいけなかったのだろうか。
後悔したところで取り消せるわけもなかったが、こんなところで抱かれるのだけは避けたかった。
すぐ傍にはシュトリもいるし、窓だって開けっ放しだ。
ここから外を眺めていても、人の姿を見かけたことは一度もない。声を出しても誰かに聞かれる心配はないのかもしれないが、それでも抵抗があった。
「いや……っ!」
リーナはフェネクスの胸を強く押し、咄嗟に顔を背けた。
その際に彼の腕の力が緩んだのがわかり、思いきり手を突っ張る。
すると、フェネクスの腕が僅かに外れたため、リーナは一瞬の隙をついて逃げようとした。
「あっ!?」
だが、それから一歩も進めずに、リーナは呆気ないほど簡単に彼の腕の中に引き戻されてしまう。
背を向けた途端、後ろからフェネクスに腕を摑まれていたからだ。
「ん…やっ、やめ……っ」
藻搔こうとしても、力の差は歴然としている。
背後から回された大きな手で強引に下腹部を弄られても、まともに抵抗もできない。
彼の手は徐々に上に向かい、すぐに柔らかな膨らみまで辿り着く。ドレスの上からいきなり乳房を揉みしだかれ、リーナは肩をびくつかせながら窓のほうに腕を伸ばした。
直後、バサバサ……ッと羽音が響き、シュトリが空へと飛び立った。
きっと、いきなり窓枠に手をついたから驚かせてしまったのだろう。
申し訳なく思いながらも、リーナは大空を翔る姿を羨望の眼差しで見上げる。できることなら、自分もあんなふうに自由に飛んでみたかった。
「どうして逃げようとする。まさか、嫌になったとでも言うのか?」
「……っは、ぁあう」
「そんなことは許すものか。今さら後戻りなどできると思わないことだ」
「んっ、あ……っ」
首筋をきつく吸われ、鬱血の痕を舌で嬲られる。
器用な指先で的確に乳首の場所を探り当て、いやらしく突起を捏ね回された。
──今さら……? なんの話をしているの?
嫌になるも何も、リーナは一度もこんな関係を望んだことはない。
晩餐会に招待されて王宮に来たはずが処女を奪われ、それからずっと狂った日々が続いているのだ。
しかし、今の彼の言葉からは、リーナを責めるような感情が見え隠れしていた。
これまでも、フェネクスと話が嚙み合っていないと思うことはあった。
何度か疑問を口にしたことはあったけれど、彼は部屋に戻るとすぐに行為をはじめようとするから、話をするどころではなくなってしまう。今も頭の隅で疑問を感じながらも、口からは喘ぎ声しか出てこなかった。
──ようやく少し話ができそうだったのに……。
リーナは肩で息をしながら、背筋をびくびくと震わせる。
彼は左手で乳首を捏ね、右手でドレスの裾を捲り上げて太股を直に触っていた。
窓に押しつけるようにして後ろから身体を弄られ、これでは逃げるどころではない。
やがて、ドロワーズの腰紐を解かれると、膝まで引きずり下ろされていく。ひやりとした空気を肌に感じて身を捩ったが、フェネクスはお尻の割れ目から手を差し込み、いきなり秘所に触れてきた。
![白の呪縛](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781695136.jpg)
『白の呪縛』
![ゆりかごの秘めごと](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781695303.jpg)
『ゆりかごの秘めごと』
![執事の狂愛](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781695488.jpg)
『執事の狂愛』
![闇に飼われた王子](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781695570.jpg)
『闇に飼われた王子』
![軍神の涙](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781695655.jpg)
『軍神の涙』
![激甘ハネムーンは無人島で!?](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781695778.jpg)
『激甘ハネムーンは無人島で!?』
![女装王子の初恋](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781695884.jpg)
『女装王子の初恋』
![お義兄さまの愛玩](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781696027.jpg)
『お義兄さまの愛玩』
![はじめまして、僕の花嫁さん](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781696102.jpg)
『はじめまして、僕の花嫁さん』
![年下暴君の傲慢な溺愛](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781696218.jpg)
『年下暴君の傲慢な溺愛』
![ワケあり紳士は初恋に溺れる](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781696300.jpg)
『ワケあり紳士は初恋に溺れる』
![清廉騎士は乙女を奪う](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781696393.jpg)
『清廉騎士は乙女を奪う』
![下僕の執愛](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781696515.jpg)
『下僕の執愛』
![妄想紳士の愛しの奥様](https://www.sonyabunko.com/wp-content/themes/sonya_official/upload/9784781696720.jpg)