
狂戦士様は新妻と閨の作法を学びたい
- 著者:
- 八巻にのは
- イラスト:
- 国原
- 発売日:
- 2025年06月04日
- 定価:
- 858円(10%税込)
「やはり、俺の妻は世界一可愛い」
終戦後、和平の象徴となるべく婚姻したファルグ国王子ヴェイグとカリスト国皇女オフィーリア。二人は『殺戮の戦士』として『血濡れの姫騎士』として、幾度も戦場で剣を交えてきた好敵手。無事に結婚式を終えて初夜を迎えたものの、戦い以外はすべて不得手で知識がない二人は閨事ではなく、なぜか寝室をボロボロにするほど激しい戦闘を繰り広げてしまう。初夜にすることは戦いではないと叱られた二人は、甘い一夜の過ごし方を学びはじめて……。
恋に無自覚な戦闘狂×不遇な姫騎士、戦いしか知らない二人の激しい愛のかたち?


オフィーリア
『血濡れの姫騎士』と物騒な異名を持つ皇女。不遇な境遇に置かれていたため、戦うことしか知らないが……。

ヴェイグ
ファルグの『武』の王子。戦争の英雄であり、最も手柄をあげた戦士。武功と強面ゆえに恐れられている。
「俺を受け入れられるようここを少しほぐす。もし達しそうになったら、我慢せずそう言え」
もう既に濡れ始めた隘路の入り口を、ヴェイグの指がゆっくりとなぞる。
淫らな期待を覚え、肉洞の内側は小さく弛緩する。
「……あっ、やぁ……」
「まだ狭いが、ずいぶんと濡れているな」
太い指が入り口をこじ開け、ゆっくりと内部に侵入し始める。
圧迫感に足を閉じたくなるも、それをさせないようにヴェイグが太ももを押さえた。
今の体勢を維持すべきだと察し、オフィーリアは少しでもこの感覚に慣れようと意識を集中する。
(確かに、少し痛むかも……)
オフィーリアの膣はまだ固く閉じていて、指が奥へと入るたび違和感と微かな痛みを覚える。
けれど痛みに慣れた身体は、すぐさまヴェイグの指に適応する。むしろ自分の内側を彼の手によって押し開かれていると思うと、興奮を覚えるくらいだ。
(ヴェイグの手が、私を作り替えていくような気がする……)
初めてここに触れられたときも、オフィーリアはそう感じた。
いや、むしろ、いちから作り上げられていると言っても過言ではないのかもしれない。
空っぽで虚ろなオフィーリアの中に、ヴェイグは愛と欲望の種を蒔いているかのようだ。
「……あ、ッ、ヴェイグ……」
芽吹きは想像よりもはやく、更に激しかった。
「気持ちがいいか?」
「はい、……ッ、そこ……触れられると……」
「中にも、感じる場所を見つけたな」
わずかに指を曲げ、オフィーリアが愉悦を覚える場所をヴェイグが強くこする。
「あッ、強く、されると……」
「一度いかせてやろう。そのほうが、受け入れやすいはずだ」
オフィーリアの感じる場所に狙いを定め、ヴェイグが隘路を責める。
あわせて、彼はもう片方の手で蜜に濡れた肉芽をこね始めた。
「ひっ、ゃあ、同時にッされると……」
「気持ちいいのか?」
「よす、ぎて……ッ、私……」
「ためらうな、己を解放しろ」
上り詰める感覚にはまだ慣れず、わずかな恐怖を覚える。
「オフィーリア、ためらうな」
しかし夫の声に名を呼ばれると、その恐怖も消える。
「ああッ、ヴェイグ……ッ、もう、もう……」
恐怖という枷が外れたオフィーリアは、激しい愉悦に身も心も委ね、淫らに身体を震わせる。
ヴェイグの指使いも激しくなり、溢れ出す蜜がぐちゅぐちゅとかき回されるいやらしい音がオフィーリアの耳にも聞こえてきた。
「……ッ、いって、しまいます────!」
激しくも甘い責め苦の果てに、オフィーリアはついに達する。
目の前が真っ白になり、激しい愉悦が彼女の脳を焼きつくした。
激しい熱に翻弄された身体は淫らに弛緩し、その肌には汗が滲む。
でも彼女の身体は、まだ満足していない。心も、満ち足りていない。
それを伝えるように、オフィーリアの内側が、くわえ込んだままの指をぎゅっと抱きしめる。
「君が、俺を欲しがってくれているのがわかる」
ヴェイグの言葉を、達したばかりのオフィーリアは上手く聞き取ることができない。
だがすぐに、自分の望みはもうすぐ叶うと本能が察する。
力の抜けた腰を抱え直され、濡れた襞に指とは別のものが押し当てられた。
「……ん、ぅ……」
「やはり、まだ狭いな」
その声とわずかな痛みで、オフィーリアの意識が戻る。
(ああ、ようやく……)
痛みを前にしても、恐怖はない。
むしろ期待のほうが大きいかもしれない。
「一気に、貫くぞ」
身体を倒しながら、ヴェイグが耳元で宣言する。
同意の意味も込めて、オフィーリアは夫の首に腕を巻き付けた。
「……ッ、くッ────!」
次の瞬間、身を切り裂かれるような激しい痛みが下腹部を貫く。
想像よりも何倍も痛みは強く、そして長く続いた。
(でも、嬉しい……)
痛みの向こうに、ヴェイグがいると感じる。
彼と一番深いところで繫がっていることが、今は何よりも幸せだった。
「つらいか?」
「平気、です……」
「だが、ひどい汗だ」
「つらいけれど、とても……幸せで……」
むしろこの痛みをもっと感じたい。そんな気持ちさえ芽生えて、ヴェイグの首に回した腕にぎゅっと力を込める。
「あなたは……?」
「すごく、いい気分だ」
でもまだ物足りないだろうということは、なんとなくわかる。
「動いても、大丈夫です……」
「君は強いな」
言ってから、ヴェイグはオフィーリアの唇を奪う。
「そういうところが、好きだ」
愛の言葉と共に、ヴェイグはゆっくりと腰を動かし始める。
彼のものはとても大きいようで、少し動くだけで引きつるような痛みが走る。
だがそれも、繰り返されるうちに慣れていく。それどころかじわじわと、心地よささえ覚え始めた。
「君の中は、素晴らしい」
「ッ、ん、あなた……も……」
「心地よいか?」
「奥、を、んっ、突かれると……」
「そんな声を聞くと、歯止めがきかなくなりそうだ」
歯止めなんていらないと言いたかったけれど、ヴェイグの腰つきが激しさを増したせいで、オフィーリアは言葉を発せなくなる。
「あ、また……」
驚くほどはやく二度目の絶頂が見え始め、オフィーリアは上り詰める身体を繋ぎ止めようとシーツをぎゅっと握りしめる。
「また、いきそうか?」
「ごめん、なさい……」
「なぜ謝る」
「だって、私ッ……ん、ばかり……」
本来ならば、夫側が妻に奉仕するように、妻も夫に奉仕するのが筋のはずだ。
なのにオフィーリアはただ乱れるだけで、ヴェイグに何もしていない。
「あなたを、気持ちよくさせたいのに」
「十分すぎるほど、気持ちいいが」
でもその声は淡々としていて、男性器もそれほど大きくなっているようには感じない。
だから自分の中は心地よくないのだろうかと思っていると、ヴェイグが再びオフィーリアに口づける。
「いや、十分どころではないな。実を言うと、今日もまだ自分に枷をしている」
「……どうして、枷を……?」
「言っただろう、俺も初めてだと。だから、見栄を張っているのだ」
そう言って、ヴェイグが大きく息を吸う。
「あッ、なか、が……ッ」
途端に、彼の男根が逞しさを増していく。膣を押し広げられ、圧迫感に息が詰まる。
「苦しいだろう。これでもまだ、抑えているくらいだ」
「こんなに、雄々しい……なんて……」
「雄々しいのは今だけだ。もう少し枷を外せば、逆に入れただけで精を放つ軟弱者になりさがる」
「入れたただけ、で……?」
「君の中は素晴らしすぎるからな」
淡々と言いつつも、その声には先ほどよりも焦りのようなものが滲んでいる。
オフィーリアの内部をゆっくりとかき回す巨根は、もう既にはち切れんばかりだ。
「苦しいなら、枷など外してください……」
「しかし」
「……あなたの与えてくださるものなら、私は……なんでもほしいです」
むしろ一刻もはやく欲しいくらいだと目で訴えた瞬間、これ以上ないほど逞しいと思っていた楔が更に力強さを増した。
「……くっ、あ……!」
あまりの大きさに、オフィーリアは本物の楔を打たれたような感覚に陥る。
しかし痛みはなく、あるのは自分の内側を埋めつくされていく充足感だけだ。
「君が望むなら、好きにするぞ」
オフィーリアを見つめる眼差しには、戦場で見た荒々しく残忍な光が見える。
普通の人ならば恐怖さえ感じるところだろうが、むしろオフィーリアは興奮してしまう。
(あぁ、私が好きになった……目だ……)
愛おしさを隠しきれず、うっとりとした目でヴェイグを見つめる。目が合っただけで隘路からは蜜が溢れ、肉洞が妖しい動きでヴェイグのものをぎゅっと抱きしめる。
「君の内側は、本気で俺を軟弱者にしたいようだ」
「……ッ、え……?」
「君の中が俺を抱きしめて、はやく達しろと迫ってくる」
ヴェイグはぐっと楔を引き抜いた。
突然の喪失感に啞然となるも、次の瞬間先ほどよりも更に奥へと、楔をぐんと突き立てられる。
「……アッ、ああぁっ!」
「こうやって、君にこれを突き入れることを夢見ていた」
一度だけでなく二度、三度と、ヴェイグは叩きつけるように中を穿つ。
まるで剣で貫かれたかのような感覚に陥るも、痛みはない。
むしろ乱暴にされるほど興奮している自分に、オフィーリアは気づく。
「あ、ンッ、もっと、……ンッ!」
欲望は全身から溢れ、オフィーリアはシーツをかき乱し、背をしならせながら懇願する。
感情や欲望がこんなにも溢れ出ることは初めてで、自分が自分でなくなっていくような感覚さえ覚える。
だがそうした変化もまた、オフィーリアにとっては喜びだ。
「激しいのが好きなら、体勢を変えようか」
「……ッ、アッ……!」
繫がったままの状態で、持ち上げられ、ぐるりと反転させられる。
そのまま腰を突き出した状態でうつ伏せにさせられ、再び激しい突き上げが始まった。
「あっ、奥、あたって……ッ、アッ!」
「君の気持ちいいところを攻めるには、やはりこちらのほうがいいな」
「すごい、あっ、きもち、いい」
「俺もだ、もう……枷をつけるのも、限界だ……」
普段は冷静なヴェイグの声に、焦りと熱が滲む。
その声を引き出しているのは自分だと思うと、オフィーリアは無性に嬉しかった。

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