ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

死ぬほど結婚嫌がってた殿下が初夜で愛に目覚めたようです

死ぬほど結婚嫌がってた殿下が初夜で愛に目覚めたようです

著者:
栢野すばる
イラスト:
らんぷみ
発売日:
2022年11月04日
定価:
847円(10%税込)
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君って、なんでこんなに可愛いんだろ……?

父の借金を肩代わりしてもらうため、前王の遺児アレクセイと結婚したルリーシェ。だがこのアレクセイ、幼い頃に家族を殺された心の傷が癒えず、復讐相手を殺し回っていると噂される、いわくつきの“悲劇の王子様”なのだった。前髪で顔を隠したままの夫との初夜、突然心中を迫られたルリーシェは、殺されてたまるかと反撃し、めちゃくちゃに殴り掛かる。これは完全に離婚だ……と思った翌日、絶世の美貌を晒したアレクセイが、なぜか妙に懐いてきて!?

他人を寄せつけない美貌の殿下×逆境に負けない没落令嬢、波乱の初夜から始まる新婚生活の行方は――!?

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登場人物紹介

ルリーシェ

ルリーシェ

初夜にアレクセイから心中を迫られたのでめちゃくちゃに殴りかかったら、異様に懐かれてしまう。夫の躾に苦心中。

アレクセイ

アレクセイ

超絶美形なのに不幸な生い立ちとおかしな言動のせいで人が寄って来ない。妻が大好きだがたぶんあまり伝わってない。

お試し読み

「ルリの服、脱がせていい?」
 ──あ、え、あ……えっと……これって……私と合体しようってこと?
 どうやらアレクは、夫婦の務めを果たす気になってくれたらしい。
 心中を持ちかけられた昨夜からすれば大変な進歩である。
 未知の行為に対する不安がこみ上げてきたが、ルリーシェはぐっと呑み込んだ。
 ──し、仕事なんだし、今夜こそアレクと結ばれなくちゃ。
 ルリーシェは頷きかけて、慌てて首を横に振る。
 指南書には、性行為に無知な夫の服は妻が優しく脱がすようにと書いてあったからだ。
「ううん、先に私がアレクの服を脱が……」
「僕が脱がせてあげる」
 思いも寄らぬ速さでルリーシェの帯が解かれた。しっかりと着込んでいたはずの寝間着とガウンが身体から剝ぎ取られ、床に投げ捨てられる。
 早業すぎて、抗う間もなかった。
「これはお気に入り?」
「え……な……なんのこと……?」
 心の準備もできていないまま腰ばき一枚の下着姿にされ、ルリーシェは震え声で問うた。
「この下着は君のお気に入りか、って聞いてる」
「べ……別に……普通よ……ただの下着……」
 答えると同時に、アレクの手にナイフが現れる。
 どこから取り出したのかと聞く前に、ぴっと音を立てて下着が切り裂かれた。
 腰回りを覆っていた布がはらりとほどける。アレクは腰の下から下着の残骸を引き抜くと、他の寝間着と一緒に床に投げ捨てた。
「な……なにを……あ……」
 慌てて秘部や乳房を隠そうとするルリーシェの前で、アレクがものすごい速さでシャツをかなぐり捨てた。ズボンも下着もあっという間に脱ぎ、一糸纏わぬ姿でルリーシェの脚の間に割り込んでくる。
 なんの特殊芸かと聞きたくなるくらいの速さだった。
 ──ど、どうし……よう……指南書には……指南書……には……えっと……。
 突然裸にされて、なにも考えられなくなる。
 アレクは呆然としているルリーシェの膝に手を掛け、脚を大きく開かせた。
「あ……や、やだ……」
「すごく綺麗な身体だね、ルリ……僕、君の身体の形状が大好きだ」
 ルリーシェの裸身をうっとりと見下ろしながらアレクが言う。
「えっ……見……見ないで……あ……」
 男の人に裸を見られるのは、幼い頃、父にお風呂に入れてもらったとき以来だ。
 真っ白だった頭が、じわじわと羞恥に染まる。
 ──う、うそ……私たち、本当にする……の?
 今夜こそなんとかしてアレクと『寝る』つもりだったが、それは自分が誘って、応じてもらってのことだと思っていた。
 こんな勢いで脱がされるなんて予想もしておらず、動悸が激しくなる。
「女の子は男に抱かれるのが怖いんだよね? でも大丈夫、怖いところはすぐに終わらせるから」
 そう言うと、アレクは寝台の脇に置かれていた卓から、青い小瓶を手に取った。
「ちゃんと説明するから怖がらないで。これから僕は君を抱く。だから痛くないように潤滑剤を塗る。そのために君の脚の間に触るね」
 アレクが、青い瓶の中身をたっぷりと手に垂らす。そして指に取ると、むき出しのルリーシェの蜜口に触れてきた。
「……ん!」
 思わず声を漏らし、ルリーシェは慌てて両手で口を塞いだ。
 ──い、いや……どうしよう。でも大声出しちゃ駄目……私、声、大きいし……。
「この潤滑剤を、今から塗るよ」
「ア……アレク……待って……待っ、んぁ……」
 指が、震える未熟な秘裂の奥に入ってきた。薬が冷たい。指はどんどん奥に入ってきて、ルリーシェの蜜襞をゆっくりとかき回した。
「や……やだ……怖い……っ……」
「怖い? じゃあ君の気が散るように、別のことをしようか」
 ルリーシェの隘路を優しくほぐしながら、アレクが乳房に口づけてきた。柔らかな銀の髪が肌に触れ、続いて唇が乳嘴を軽く吸う。
「ひ……っ……」
 アレクの指を咥え込んだ場所がきゅっと締まった。
 その反応を楽しむように、舌先がルリーシェの胸の蕾をそっと転がす。同時に膣内を指がぐるりと一周した。
 未知の快感が身体の奥深くに生まれ、ルリーシェはたまらずに腰を浮かす。
「あっ、や……胸……弄らないで……ん」
 ともすれば漏れそうになる嬌声を抑え、ルリーシェは口を覆ったまま懇願した。かき回される脚の間から、くちゅくちゅといやらしい音が聞こえてくる。
 アレクの唇は乳嘴から離れない。身をよじるルリーシェを焦らすように、アレクは硬くなったそこに軽く歯を立てた。
「ああっ!」
 ルリーシェの身体が不意の刺激に跳ねた。
 指を受け入れている場所から、どっと何かがあふれ出してくる。あまりの羞恥に腰を引き、逃げようとしたが、脚を押さえ込まれて動けない。
「胸をこうされるのは好き?」
「い、いや……嫌い……嫌いよ……」
 息を弾ませながら答えると、今度は乳嘴を唇で強く挟まれた。男の人に乳房を弄られているのだと思うとどうしようもなく恥ずかしさが増す。
「あん……嫌い……ん……」
「本当に嫌い?」
「き、嫌……んぁ、あ」
 先ほどよりも強く乳嘴をもてあそばれ、ルリーシェは情けない声を漏らす。
 ルリーシェの身体は乳房への愛撫に反応し、咥え込んだ指をもどかしげに締め付けた。
 ──私……噓ついてないのに、恥ずかしくて嫌なのに、どうして?
 アレクが身体に触れるたびに、どんどん力が抜け、抵抗しようという気が失せてくる。
「ぐちょぐちょになってきた。ルリのここ」
 アレクが耳元に唇を寄せ、そう囁きかけてきた。
 どうしよう。こんな場所を濡らしてアレクの手を汚してしまうなんて。羞恥に目をくらませながら、ルリーシェは懸命に言い訳をした。
「あ、貴方が、触るからよ……っ……」
「気持ちがいいと濡れるんだよね?」
「や……やだ……これは違うの……あぅ……っ……」
 アレクの指が不意に抜かれた。
「君の中に入っていい?」
「い、いや……待って……あ……!」
「ううん、待てない、こんなに可愛い反応されたら我慢できないよ」

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