「好き」と言わないと過保護な護衛騎士が命令に従ってくれません!
- 著者:
- 月城うさぎ
- イラスト:
- tsugumi
- 発売日:
- 2026年04月03日
- 定価:
- 869円(10%税込)
寝台の中で私にえっちなキスをされてください
辺境伯令嬢レナリアの護衛騎士エミディオ。過保護でレナリア第一のくせにふてぶてしく愛を要求してくる男。幼少期から彼に淡い恋心を抱いているレナリアは、エミディオの言動に困惑するばかり。そんなある日、公爵家から来たレナリアへの縁談を断りたい辺境伯が、エミディオと恋仲になるように言い出して……? 父の要求に驚くレナリアに、エミディオは「好きか嫌いかの二択です。さあ、どっちですか?」とせまりはじめる始末。レナリアはおしまけて既成事実を作ることを了承し、優しく触れる彼の手を受け入れ――。
腹黒な訳アリ騎士×初心な辺境伯令嬢、規格外の甘い主従関係!?
レナリア
辺境伯令嬢。屈強な騎士たちに囲まれているため肝が据わっているが、エミディオの態度には手を焼いている。
エミディオ
レナリアの専属護衛騎士。かつて彼女に拾われ、それ以前の記憶がない。ふてぶてしくもレナリアに忠誠を誓う。
「これもおいしいわ。ディオも食べてみる?」
「そうですね。では、遠慮なく」
新たなチョコレートを食べるのかと思いきや、彼はレナリアの唇に口づけた。
「……っ!」
突然のことに驚きが隠せない。抗議の声を上げようとした瞬間、エミディオの舌が差し込まれた。
「ンァ……ッ」
チョコレートの欠片を丹念に絡めとっている。
甘さが残る箇所をくまなく舌で舐められる。レナリアの唾液も彼の口に吸い込まれているのだと思うと、言いようのない羞恥に襲われた。
──なんだかお腹の奥がムズムズする……これがえっちなキスなの?
ただ触れ合うだけではない。粘膜接触をすることが濃厚なキスだと書物にも書かれていた。知識として知っていることと、実際に経験することは別らしい。
身体をグイッと抱き上げられた。
「あぁ……ンッ!」
離れた唇が何度も合わさる。キスの合間に呼吸をすることも難しい。
気づけばレナリアは寝台に寝かせられていた。キスに夢中で移動したことにも頭が追い付いていなかった。
「今のがえっちなキスですよ」
唇に付着した唾液を指先で拭われた。彼がその指を舐めるものだから、レナリアはいけないものを目撃したかのように頬を赤く染める。
「……っ、チョコレートを食べるって言ったのに」
「ええ、いただきました。お嬢様の口に入ったものを」
余裕綽々なのが悔しい。レナリアだけが翻弄されているようだ。
「で、でも、寝台の中でされたんじゃないんだから、これで赤ちゃんはできないわよね?」
しどろもどろに問いかける。
彼が言っていた裏技というものがなんなのか、気になって仕方なかったのだ。
「ああ、あれまだ信じて……ところでその知識はどこから仕入れたんですか」
「借りた本に書いてあったわ」
交流のある貴族令嬢との集まりで、本の貸し借りをすることもあるのだ。
巷で流行っている恋愛小説を借りて、レナリアは閨の教本以外にはじめて初夜というものを学んだ。とはいえ詳細はわからず仕舞いである。
「お嬢様、本の世界は間違いではありませんが、一種の幻想です。夢物語です。濃厚な描写を避けているだけで、男女が同じ寝台に入ればすることはひとつ」
「抱きしめ合って寝るんでしょう?」
「抱き合って寝るんですよ」
同じ意味ではないのか。覆いかぶさるエミディオを見つめながら首をかしげた。
「二文字しか違わないわよ?」
「それが大違いなんです。今から私たちがすることは、とても淫らで恥ずかしくて刺激的な行為ですよ」
しゅるり、と胸元のリボンが解かれた。ネグリジェの襟ぐりが大きく開き、胸の先端まで見えそうになる。
「きゃあっ!」
「隠さないで。私に全部見せてください」
「胸を? どうして」
「見せてもらえないと可愛がれないでしょう」
──そういえば昼間もディオに胸を触られたわ。
ドレスの上から触れるだけだったが、それでもはじめての行為だった。身体を洗う以外に自分でも胸に触れることなどなかったのだから。
レナリアは顔を真っ赤にさせて説明を求める。一体これからなにがはじまるのか、きちんと言葉にして教えてほしい。
「それで安心ができるならいいでしょう。まずはお嬢様の衣服をすべて脱がします」
「嫌よ! 恥ずかしいもの。脱がないとその、婚前交渉はできないの?」
「できなくもないですが、上級者向けですよ。下手に衣服を身に着けている方が恥ずかしいと思いますが」
そうなのだろうか。なにが普通なのかわからず、レナリアは続きを促す。
「その次は?」
「……言ってもいいのですが、実践で知った方がよろしいかと。はじめての行為は女性に負担が大きいので、優しく丹念に解して、気持ちいいことしか考えられないようにしますね」
なんだか身の危険を感じる。
──痛みがあるの? そういえば本にも書いてあったかも……。
血が出ることもあるそうだ。破瓜の証というらしい。
一体どこから血が出るのかもわかっていなかった。もう少し真剣に読んでいたらよかったと思うが、今さらである。
「あの、赤ちゃん、できない? 大丈夫?」
「お嬢様の中で子種を放ったら精子が卵子と結びついて子が宿りますが、中で放たなければ避けられるかと。とはいえ絶対ではありません」
裏技とはそのことを言うらしい。
「怖いなら日を改めますか?」と尋ねられたが、レナリアは首を左右に振った。このようなことは勢いに任せないと怖気づいてしまう。
「ううん、いい。今日するわ。私がなにも知らなくてディオには負担をかけてしまうけれど、教えてくれるんでしょう?」
「負担なんて思ったことはありませんよ。私にお嬢様をくださるのですから、これ以上の喜びはありません。知らないことはすべて私が教えましょう」
そっとネグリジェの襟ぐりから肩を撫でられた。胸の先で引っかかっていたネグリジェが腹部までずれ落ちる。
「思った通り美しい」
「ん……、本当に?」
羽根で撫でるように優しく胸に触れられた。まるで壊れ物でも扱っているかのよう。
──ちょっともどかしいかもしれない……。
丁寧に胸を撫でられるが、もう少し強く揉んでほしい。
「痛くないから、もっとちゃんと……」
「触れてほしい?」
淫らなおねだりを口にしたことに気づいた。レナリアの顔が熱くなる。
視線だけで頷くと、彼は要望通りに振る舞う。
「あ……あぁっ」
手で揉みしだくだけではない。彼は淡く色づいた胸の先端に唇を寄せて吸い付いた。
ビクッと腰が跳ねる。そんな風に舐めて吸われるなんて思ってもいなかった。
「な、なにも出ないわよ?」
「そうですね」
くすりと微笑む気配が伝わる。彼の髪先が胸元の肌をくすぐった。
──お腹の奥が熱い……ムズムズして、なんだか変な感じがする。
これほど美しい人が自分の胸に顔を埋めている。なんという背徳感だろう。
直視できない光景に、レナリアは咄嗟に視線を逸らした。これから待ち受ける未知の体験が怖くないと言ったら噓になる。
──でも、大丈夫。やっぱり私には早いかもって言ったら、ディオはちゃんと止めてくれる。
彼は優しい男だ。ふてぶてしくて我も強いけれど、レナリアを傷つけることはしない。
「考えごとですか? いけないお嬢様ですね」
「ひぁ……んっ、ちが……っ」
舌先で胸の飾りを丹念に舐めて吸って、甘く歯を立てられた。下腹にズクン、とした疼きを感じる。
反対の胸は指先で可愛がられた。今まで味わったことのない刺激が堪らなくて、自然と媚びたような声が漏れる。
『呪いの王は魔女を拒む』
『妖精王は愛を喰らう』
『竜王の恋』
『王太子は聖女に狂う』
『絶倫御曹司の執愛は甘くて淫ら』
『ケダモノ御曹司は愛しの番を貪りたい』
『傲慢御曹司は愛の奴隷』
『溺愛御曹司の幸せな執着』
『腹黒御曹司は逃がさない』
