ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

一途な貴公子は死神令嬢を逃がさない

一途な貴公子は死神令嬢を逃がさない

著者:
桜井さくや
イラスト:
Ciel
発売日:
2023年08月03日
定価:
858円(10%税込)
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いくら拒まれようと、おまえと結婚する。

母の死をきっかけに公爵家に引き取られたルチア。不義の子として冷遇される彼女は、公爵家に仕える伯爵家の三男シオンを心の支えにしていた。しかしルチアは彼の長兄との結婚を命じられている。許されない恋と知りつつ、シオンへの想いをなかなか捨てられないルチアだったが、ある時、その長兄が急死し、程なくして婚約した次兄まで急死。さらに、シオンと婚約することになり、彼の死を恐れたルチアは、婚約を拒否し、公爵家を去ろうとするが……。

ぶっきらぼうな貴公子ד呪われた”令嬢、悪意に打ち勝つひたむきな恋。

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登場人物紹介

ルチア

ルチア

他人に人生を決められてきたため、何かを望むことを諦めている。唯一、シオンへの想いは捨てられずにいた。

シオン

シオン

騎士として身を立てる予定でいたが、兄の死により爵位を継ぐことに。ルチアのことは昔から大切に思っている。

お試し読み

「……ルチア、もう俺から逃げるな」
 間近で囁かれて、ルチアの心臓は大きく跳ね上がる。
 できることなら、自分だってそうしたい。
 けれど、そんなふうにまっすぐ突き進むことに強い躊躇いを感じてしまう。ルチアは何よりも自分自身を信用することができないでいた。
「そ…、それは約束できません。シオンが死ぬのだけは嫌なんです……」
「だからそれはただの想像だと言ってるだろう?」
「シオンがそう言っても、私はそうだと思えないんです……っ! 今だって、こんなに近づいたらどうなるのかと怖くて……。あなたのお兄さまたちだけじゃない……。部屋に遊びに来ていた小鳥たちも……っ」
「小鳥?」
「そうです。私の部屋に、小鳥たちがいつもパンを食べに来ていたんです。最近見かけないと思ったら、裏庭で皆死んでいたんです」
「それは…、偶然だろう……」
「本当にそう思いますか? シオンだって、変だと思っているはずです。私の周りだけ、不幸が渦巻いているって……っ!」
「馬鹿を言うな!」
 私の周りだけ何かがおかしい。
 これでは、皆が『死神令嬢』と噂するのも無理はない。
 涙声で訴えると、突然シオンに抱きしめられる。
 ルチアは首を横に振り、彼の胸を必死で押し返そうとするが、一層強く抱きすくめられてしまった。
「や…、放し…て……っ」
「誰がおまえを変だと言ったんだ? 俺の気持ちまで勝手に想像しないでくれ」
「……ッ、ご、ごめんなさい。でも、シオンが死ぬのは嫌…、それだけは絶対に嫌なんです……ッ」
「だったら、俺が証明してやる……。おまえが呪われてないってこと、手っ取り早くこの場で証明してやるよ」
「え…?」
 シオンは耳元で囁くと、ルチアの腰に手を回す。
 同時に強く引き寄せられて、すぐさまのしかかられた。
 抵抗しようとしたが、いとも容易く押し倒されて、大きな手で背中や腰、脇腹を弄られてしまう。寝衣越しでも手のひらの感触が伝わり、シオンは忙しない動きで腹部に触ると、ルチアの唇に自分の唇を強引に押し付けてきた。
「う…ン……ッ」
「もっと近づけば、俺が死ぬかどうか、すぐにわかる」
「……ッ、や……ッ」
 ルチアはくぐもった声を漏らしながら、彼の胸を押し返そうとした。
 嫌だ、シオンまで死んでしまう。こんなに近づいたら大変なことになってしまう。
 しかし、いくら押しても彼の身体はびくともしない。
 それどころか、腹部を触っていた手は徐々に上に移動している。乳房を包み込むように揉まれ、ルチアはびくんと肩を揺らして顔を背けた。
「……んっ、あ、やめ……っ」
「ルチア、俺はおまえと結婚すると言ったはずだ。誰がなんと言おうと、俺がそう決めたんだ」
「どうしてそんな……」
「呪いがなんだ。そんなもので俺から逃げられると思うなよ」
「……あ……ぅ……」
 シオンは翡翠色の瞳に獰猛な光を宿し、ルチアを強く搔き抱く。
 耳たぶを甘嚙みされ、熱い息がかかって力が抜けそうになったところで、もう一度口づけられる。僅かに開いた唇の隙間から舌を入れられ、その舌先で歯列や上顎を擦られてから舌を捕らえられた。
 互いの舌が擦れ合うたびにくちゅくちゅと淫らな音が響き、羞恥心を煽られたが、ルチアはもう力も出ない。
 だめだと思うのに、抗えない。
 強い力で抱きしめられただけで、涙が出そうになってしまう。
 彼のことが、ずっと好きだったのだ。
 はじめて会った日から、シオンだけが特別だった。
 シオンにとっては、ルチアは特別な相手ではないかもしれないが、周囲の噂をものともしない強さに心が激しく揺さぶられた。
 ──シオン、シオン、シオン……。
 堰を切ったように想いが溢れ出して、ルチアの目から涙が零れ落ちていく。
 息もできない口づけに眩暈を覚え、彼の服をぎゅうっと握りしめる。
「ルチア、これでもまだ呪われてると言うのか……?」
「ふ…ぁ……」
「それとも、もっと近づいてほしいか?」
「や……ッ」
 ルチアは、欠片ほどになった理性で小さく首を横に振った。
 けれど、自分の手は彼の服を強く握ったまま放そうとしない。
 シオンはそれを見て苦笑いを浮かべる。
 もしかすると、彼は返答次第では、途中でやめるつもりでいたのだろうか。深く息をつくと、何か吹っ切れた様子で掠れた声で囁いた。
「なら、覚悟しろよ」
「ふ…あぁっ」
 シオンはいきなりルチアのお尻を弄り、性急な動きで太股へと手を伸ばす。
 寝衣はとても薄いシルク生地で作られていて、押し倒された段階で膝まで捲れていた。
 身体のあちこちに触れられているうちにさらに捲れ上がっていたから、あらわになった太股に熱い手のひらの感触が直接伝わってくる。それは薄い布越しで感じた温度とはまるで違い、触れられた周辺まで燃えるように熱くなってしまうものだった。
「ん…、ふ…、んぅ、う……」
 シオンは角度を変えて何度も口づけをしながら、徐々に太股の外側から内側へと手を移動させていく。
 ルチアは恥じらいを感じて脚を閉じようとしたが、その前に手を差し込まれてしまう。
 強引に開脚させられると、閉じられないように彼の身体が割り込んでくる。それと同時に彼の指先が中心にたどり着き、ルチアは突然の刺激に身を捩った。
「ひあぁぅ……ッ」
「……いい啼き声だ」
「や、やぁっ、そんなところ……っ」
「だめだ。このままじゃ俺を受け入れられない」
「あっああ、んんぅう……ッ」
 シオンは下着の上からルチアの秘所を指で突き、そのままぐっと押し込んでくる。
 僅かに指が中心に食い込み、ルチアは喉を反らして喘ぐ。軽く出し入れするように動かされて、顔を真っ赤にしながら貪るような口づけを受け止めた。
 先ほどより、シオンの舌も息も熱い。
 間近で見つめる潤んだ眼差しは、淫らな光を帯びていた。
 ルチアはお腹の奥のほうに熱を帯びるのを感じ、じわりと何かが溢れるのを感じる。
 秘部から溢れた蜜が下着を濡らし、それがシオンの指先へと伝わると、彼はその指を引き抜いてすぐさまドロワーズの裾部分を強く引っ張った。
「あぁ、そんな……」
「もっと触らせろ。もっと……」
ドロワーズは見る間に引きずり下ろされ、ルチアはさらに顔を紅潮させる。
 けれど、脚を大きく開いているから太股までしか下げられず、シオンはルチアの両膝を抱えて太股でとどまっていたドロワーズを引き下げていく。
 膝からふくらはぎ、足首を抜けるまではあっという間のことだ。
 彼はドロワーズを無造作にベッドに置くと、ルチアの膝頭に唇を押し付ける。硬く尖らせた舌先をそのまま内股に向かってねっとりと這わせていった。

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